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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第5章 死神は御満悦






──バサバサバサッ!!──




「!?」  「(!?)」



『クルルルルル』



カウンターに置いてあるカゴの中から自己主張するかの様に鳩が翼をバタつかせ、鳴き声を上げた。



「なんだい、ここで始められるのは嫌だって言うのかい?」



腑に落ちない様子のアンダーテイカーだったが、久しぶりのマリアンヌとの情事に邪魔をされてはたまったものではない。



「…それじゃあベッドまで行こうか。」




「(あ…キャッ!!)」



アンダーテイカーは仕方ないとばかりにマリアンヌを横抱きにして、寝室に向かおうとしたのだが……



『クルルルルル、クルルルルル!』



まるで2人の睦み合いを阻止しようとしてるのか、鳩は鳴き声を上げ、煩く翼をバタつかせた。



「……………」



その鳩の態度にアンダーテイカーは真顔になると、嫌悪感たっぷりに口を開く。



「ほう……君はいったいどういうつもりなんだい?」



アンダーテイカーにはまるで鳩が「マリアンヌは自分のモノだ」と主張している様に見えたのだろうか?


敵対心剥き出しにカゴに入っている鳩を見下ろすと、思い切り睨んで見せた。


しかし鳩は翼をバサバサと自己主張をやめる様子はない。


するとアンダーテイカーは静かにマリアンヌを床に降ろすと、右手をスッと背中に持っていく。



「十分に回復してるじゃないか?今までマリアンヌの看病目当てに狸を決め込んでたのかい?そうだとしたら許せないね〜。小生はもう出ていってくれて構わないんだよ?」



背中に潜ませてある卒塔婆をグッと握ると、その異常な殺気を目の当たりにしたマリアンヌが慌てて止めに入った。


「(ア、ア、アンダーテイカーさん!!は、鳩相手にデスサイズ出すなんて何物騒なこと考えてるんですか?)」



「フン、コイツはマリアンヌの看病が心地良くてきっと具合の悪いフリをしていたんだよ。もう外にだしても大丈夫だろ。放してしまおう。」



「(え?えー?)」



アンダーテイカーは自分に対してヤキモチを妬く様な事が何度かあったが、鳩に対してここまでムキになるとは思ってもみなかった。



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