第2章 高級寮
今は、俺の血を与えなければ、クラトスは暴れる
関係ない生徒は傷つく
正義感が強いわけじゃないけど、おれはそういうのが許せない
「わかった、俺の血をやる。」
「す・・まない・・。」
俺はこの瞬間、首でも噛み付かれるのかと思った
が、違った。
クラトスは風の魔法と吸収魔法を組み合わせ、俺の腕を風で瞬時に切り裂き、そこからでてきた血を吸収魔法で集めた
痛みも一瞬で終わる
吸収された血は、クラトスのもとに集まり、それを一気に飲んだ
血を飲んだクラトスは先まで瞳を真っ赤に光らせていたが
血を飲み終わると元の色になり、精神的にも安定していく
俺は、どういう言葉をかけてやれればいいかわからない
戦争での被害者と見るのか、初めてのルームメイトと見ればいいのか・・。
「俺が恐いだろ?」
口元の血を拭き取りながら、クラトスは俺を見て話す
「今なら間に合う・・俺との任務、降りてもいいんだ」
任務放棄
そうすることは、今の状況をクラトス一人に背負わせてしまうことだ
俺は、何としてもそれだけは避けたかった
「・・・そんなの、するかよ。」
「!」
「俺は、お前と最後までこの任務を遂行する。
科学側に裏切ろうとしている魔法使いを、絶対見つけてやるんだ!」
決心に満ちた目で俺はクラトスを見た
それに対してクラトスはフッと笑う
「俺が・・怖くないのか?」
「怖いぜ。
でも、それ以上にお前が一人にさせてしまうのが、もっと怖いな。」
「それなら心配いらない。
俺はずっと一人だった。」