第13章 体育祭
「2人は出番が少ないからさ、応援席にいる時間も長いだろ。これ使ってみんなと盛り上げてよ」
なるほど。
そういうことか。
「うん!分かった!」
「よろしく」
了承したら、タッキーもにっこり笑った。
「あっ…と、忘れてた!」
それで終わりかと思ったら、タッキーが大きい声を出して
「ちょっと失礼」
にゅっとその手が俺の頭に伸びてきた。
何やら髪の毛をいじくられてる感じがする。
前髪を結ぼうとしてる?
「なに?」
「よりやる気がアップするようにね」
「………???」
聞いてみても、分かるような分かんないような微妙な理由を告げられる。
触ってみたら、前髪がなんかちょんまげみたいになってるっぽかった。
俺の次は智も同じことされてて、見てたらリボンまでつけられてた。
あれ、俺にもついてるのかな?
よく分かんないけど、髪を結んでポンポンを持った智はとても可愛い♡
「智、可愛い♡チアガールみたい♡」
「ニノもね!可愛いよ」
お互いを褒め合ってたら
「2人とも可愛いよ」
タッキーが満足そうに微笑んだ。
「それで応援されたら、翔も潤も無敵になれるから!」
「無敵???」
「ついででいいから俺たちのことも応援してね」
「そりゃするけど…」
言いたいことを言うとタッキーは去っていった。
「なんなんだろ?」
「さぁ……あ!ニノ!出てきたよ!」
首を傾げてたら、翔ちゃんたちが入場してきてた。
神さま、どうか翔ちゃんを守ってください。
ケガなんてしませんように。
神頼みしか出来ないのは情けないけど。
祈らずにはいられない。
信じるものは救われる!
神頼みだってしないよりした方が絶対いいはずだもん!