• テキストサイズ

【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第25章 〜毛利蘭の苦悩〜



「蘭さん、貴女は繊細な心を持った逞しい女性ですね。自分の意思と我慢強さを貫くだけの気概を持ち、揺るがない正義感と信じる理想を真っ直ぐ進める不屈の闘志があります。こうして誰かを健気に思い遣れること、己の欠点に対し目を逸らさず向き合える事こと。私はそれ故の脆さは一種の強さだと思いますよ」

「……え?」

「これまで一人で寂しさを抱え、自力で何とかしようと戦ってきたのだから。貴女は芯の通った力強い精神(こころ)を持っています、蘭さん。肉体は鍛え上げれば強くなれますが、それだけが強さの全てではありません。武術の心得として心・技・体がありますね。体は日々の積み重ねにて磨き上げられ、技は努力と研鑽のもと精進していくもの、最後の心は漲る気力と落ち着いた精神力を指します」



蘭は麻衣の思ってもみない褒め言葉に驚き、ゆっくり唖然としたままの顔を上げる。彼女にとって自分の悩みは考えすぎなもので、園子達以外にもアドバイスを貰えれば良い程度に思っていたのだ。近頃己を卑下してばかりだった蘭にとって、こうして面と向かって微笑まれながら性分を美徳として挙げられるのは少し救われた心地がした。園子と世良も友人の悩みの奥に自分がいたこともあって、我が事として教訓にしようと聞き入る



「自分の欠点を見つめ、性分(しょうぶん)を改善していく……。蘭さんは清く正しくハッキリあろうと努めるあまり、矛盾と空回ってしまう思想を嫌い、焦っては強硬手段で失敗してしまっている。確かに早とちりや思い込みが目立ち、過激な行為に出るのは良くない。人は見方次第で善くも悪くも見えるものです。否定ばかりしては己の美点が台無しになってしまいますよ?より善い自分を目指して変わるのならば、己自身の良し悪しを理解して分析するのが大切です」

「……あはは、ダメですね私。こんなに弱気になって、周りを気遣わせて翻弄するばかり」

「いいえ。貴女は自分を卑下していますが、周りの人ほど自分では分からぬ一面、自覚していない所を見ていてくれています。ほら、少なくともそこに二人、貴女の良さが分かるからこそ脆さを支えようとしている。毛利蘭を知っているからこそ、側にいてくれる子達がいるでしょう?頼るのは決して弱さではない、情けなくありません。自分成長させるきっかけなのだから」

「……っそうよ蘭!私達親友でしょ?」

「園子……」
/ 325ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp