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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第25章 〜毛利蘭の苦悩〜



「別に皆が嫌いなわけじゃないんです……。何処か離れた場所でも、立場が違っても、誇りを持って胸を張った仕事をしている姿がカッコよくて。そういう尊敬できる人達だから大好きで。だけどその分多くの人が不幸になる、被害を受けて傷ついて、誰かが色んな理由で取り返しのつかない罪を犯してる。ただの理不尽な悪意で、大事な人を殺された恨みで、些細なすれ違いや勘違い、名誉や金銭のためとか。だから、本音は凄く辛くて堪らないんです……。毎日のように事件に遭う事が、それでコナン君達や父さんが活躍を喜ぶ事が、誰かが互いに傷つけ合う結末を日常に見る事がーーー」



まるで全て当たり前のようで、事件にのめり込んでいくのを見ると恐ろしい。そう言って本心を出した蘭は、遂に自身の顔を両手で覆って俯いてしまう。そんな友人の痛ましい本音に、園子と世良はショックのあまり絶句した。学校も休日も殆ど三人一緒に過ごしていながら、如何して気づいてあげられなかったかと。そして同じく探偵である世良、時折眠くなって知らぬうちに事件を解決できて喜んでいた園子は蘭の言葉に冷や水を浴びた気分になった



「最近はコナン君も自ら危険に飛び込んでいくのをやめました。前は何度も怪我するし、犯人について行って誘拐されるし、人質になるし。知り合いの博士が道具を作って貰ったみたいで、大人顔負けの頭脳と行動力がある子なんです。実際何度も犯人を捕まえた事があって、自粛してくれてると正直ホッとしてます。だけど小さい頃から密かに抱える不安、危なかっしいコナン君を見てたら余計に心配になるの……っ。もしも他の皆も事件やトラブルに遭って傷ついたら?考えすぎなのは分かってます、将来の夢や仕事を応援したい気持ちもある。それでも事件ばかりに夢中で、手元の幸せと平穏を手放して見向きもしないように見えるのが嫌で私っ、私……っ」



再び涙を溢れさせた蘭は、嗚咽をもらしながらも心の叫びを必死に麻衣に伝えていく

蘭が自分の両親に強引な手段を取り、仲を戻そうとしている事。その際必ず喧嘩になるが、別居中なだけで離婚の話は一切出ていない事。家族の誰かが危機的状況になれば、必ず一致団結しては乗り越えてきて仲良く過ごす事が出来ること。しかし関係の発展を見込めず、頑なに両親が別居をやめない。事件での不安以上に何年も前からシングルファザーの生活に寂しさを抱えていた
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