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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第25章 〜毛利蘭の苦悩〜



一先ず麻衣の挨拶をきっかけにし、相談者当人の蘭と付き添い二人は緊張感がほんの少し和らいだようだ。麻衣がはんなりと微笑むその表情、穏やかな声音、慎ましい仕草は何度か外で接した雰囲気と変わらない。てっきり蘭達は改まった仕事の対応をされるものと思い、線を引いた態度で挑みに来たのだから杞憂だと分かると空気が弛緩する。なので話がしやすい状況なのだが、蘭は何からどうやって言えば良いのか整理がつかず、それでも必死に伝えようとどもりながらも麻衣に喋った



「えっと……すぐに時間を当ててくれて、急なのにありがとうございます。それでその、私、いっぱいあって何から言えば良いのか……っ」

「落ち着いて蘭さん、焦らなくても私が貴女の悩みに寄り添います」



頭で順序立てて話そうとする蘭に、麻衣が片手をあげて優しく気遣う声をかけた



「ほら、一旦落ち着きましょう?貴女が抱える悩みは暗くて深いもの、話は順序を気にしません。これまでご友人と共によくぞ耐え抜きました、頑張って乗り越えようと戦ってきたんですね。蘭さんはもう大丈夫です、我慢も遠慮もいらないのですよ?」

「え?あれ、なんでわたし……っ」

「「?!!」」



麻衣が蘭に相談しやすいように、気持ちを整理できるように配慮して言葉をかけていく。そうして病んで傷ついた心を労われ、必死に我慢してきた事を褒められた蘭は、遂に知らぬ間に溢れる寸前だった感情を抑えられなかった。蘭自身が意思に反してポロポロ流れる涙に戸惑い、世良と園子も普段は逞しい蘭が突然泣き出す事態に驚き慌てふためいた。そのまま悩める少女麻衣に見守れ、頼れる友人達に背中を摩られながら収まりきるまでひたすら泣き続けるのだった

その後、数分経って泣き止んだ蘭は赤くなった目元をハンカチで拭い、未だに少し涙混じりな声で己の悩みを語っていく



「……最初は本当に純粋な憧れだったんです。探偵をやってる父は昔警察で、母も弁護士として忙しいけど一緒に住んでて仲良しだったわです。幼馴染で同級生に高校生探偵の工藤新一がいるんですけど、彼が推理を楽しんで探偵を目指す姿も良いなぁって思ってて。だからいつか自分もそういう正義感に溢れる強さを持って、誰かを守りたい、そう思うようになったんです」
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