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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第25章 〜毛利蘭の苦悩〜



安室は園子に次いで世良からも話を聞き、落ち込む蘭から漂う深刻な様子に思わず両目を見開き驚いた。周囲の者は毛利蘭を一様に強い怪力と評価するが、彼女も繊細な心を持った一般市民の女子高生である。武道で鍛える逞しさとは別の話で、不安と脆さを抱えた悩みが多い年頃なのも事実だ。とても精神的に参ってしまっている蘭は痛々しく、友人二人の心配そうな様子を見ては自分に何か出来ないかと考え、ふとある提案が思い浮かぶ


「……でしたら一度、麻衣さんの元で相談するのは如何ですか?」

「「え?」」

「麻衣さんに、ですか?」


突然の安室の提案に唖然とし、ぽかんと見上げる女子高生の三人に対し安室は笑って頷いた


「はい。彼女の実家は歴史の古い神社の巫女なんですが、そこでは心霊相談以外に普通のお悩み相談も行なっていると聞いてます。彼女の評判はとても高いので、きっと蘭さんの悩みも良いアドバイスを頂けると思いますよ」


笑顔で安室にそう勧められた蘭は、限界を感じる心に救いを求めて一言「お願いします……」と儚い声で呟くのだった












その後、安室が麻衣に予約がいるか連絡を取ると、ちょうど相談が出来るように計らえると言われた蘭達はポアロを出ると九十九神社を訪れる。見るからに神聖で古き良きを感じる荘厳な門構に圧倒され、蘭達三人が緊張に顔を強ばらせながら中に入ると巫女装束を着ている麻衣が待っていた。そのまま優しい微笑で歓迎を受け、神社の奥の接待用に建てられたという屋敷に入り、中の和室の一つに通される。すると蘭が大阪の依頼に出向いた時に出会った男、数珠丸が「粗茶ですが」と玉露を出しに現れ、彼の去っていく足音を聞きながらも勧められるがままにお茶を一口を飲んでみた。ひんやり冷たいお茶が喉を潤し、程よい苦味と多めの甘みに無意識でホッと息を吐く。四人は机を挟んで3対1の配置で座り、麻衣が「さて、」と声を発した


「まずはこんにちは。蘭さん以外のお二方は以前会って、随分経ちましたね。お久しぶりです」

「はい、こんにちは麻衣さん」

「こんにちは!君と会うのはレストランの事件以来だよな、二度目まして!」

「世良ちゃんはそうね。私はポアロで蘭と一緒に初めて会ったもの、確か三度目よね?」

「ええ、確かその通りだったかと」
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