第20章 会計委員会
「「「お待たせしました〜」」」
食堂から3人が戻ってきた。左吉と団蔵は、それぞれ握り飯を乗せた皿を持ち、ゆうきはお茶の入った急須と人数分の湯呑みを乗せたお盆を持っていた。
団「はい、先輩方どうぞ召し上がってください!」
団蔵と左吉は机の上に握り飯の乗った皿を置いた。
神「おお!うまそ〜!!」
「えへへ〜、いつも塩おにぎりって聞いたから今日は食堂の余り物をちょっといただいちゃったの。こっちが梅おにぎりで、こっちは刻んだ大根の葉で作った菜飯おにぎりよ!」
ゆうきがお茶を注ぎながら、少々自慢げに説明した。
神「潮江先輩、田村先輩!美味しそうですよね!」
潮「あ、あぁ。」
田「…そうだな。」
「ふふ、沢山作ったから2人も食べてね。」
ゆうきがにこっと2人に微笑みかけた。
文次郎はチラッと左吉を見やった。左吉はゆうきの後ろで、両腕で丸印を作る。毒は入っていない、と。
文次郎は意を決して握り飯を取ろうとした。
潮「では、いただきま…神「先輩方、お食べにならないのですか?それでしたら僕からいただきます!」
パクッ!!
潮・田「あ」
左門は文次郎が食べるのを遮って、大きな口で握り飯にかぶりついた。
神「んんっ…!ん、ん〜〜!!」
潮「左門!!どうした!?」
左「神崎先輩!?大丈夫ですか!?」
苦しそうな声を出す左門に、みんなが慌てた。
神「ん!んん〜………、う、う、うまい!!!!」
田「紛らわしいことをするな!!!」
左門は隣の団蔵に密かに話しかける。
神(団蔵、田村先輩は何を怒っておられるのだ?)
団(さ、さぁ?分かりません。)
「よかったー!!団蔵君と左吉君が手伝ってくれたおかげだね!はい、お茶も入ったよ〜!みんな食べて食べて!私もいただこうっと。」
美味しい夜食のおかげか、短い休憩時間も楽しいひと時となった。