第20章 会計委員会
こてっ
「ん??」
ゆうきが横を見やると、ゆうきの肩で筆を持ったままの団蔵が寝息を立てていた。
左「こら、だんぞ…ねるな…」
そう言った左吉も、ゆうきの反対隣で船を漕いでいる。左門も目は開いているが、完全に停止しているようだ。
潮「よし、眠気覚ましに10kg算盤を持って校庭10周だ!!!」
田「は、はい…」
返事をした三木ヱ門も疲れ切っており、学園のアイドルの面影はない。
「あ、あの〜…」
潮「なんだ。あんたは別にやらなくてもいいぞ。」
「い、いやそうじゃなくて。今日はもう終わりにしたら?みんな疲れてるようだし…。」
潮「なに?」
ギロッと文次郎に睨まれ、ゆうきは少し怯んだが続けて意見した。
「仕事の効率を上げるにはメリハリが必要でしょ?ダラダラ仕事するより、一旦委員会を終わって、それぞれしっかり寝た方が頭もすっきりするし、ミスも減って早く終わると思うよ。それに成長期の睡眠時間はとっても大事だし…どうかな?」
潮「………。」
無言でじっと見つめてくる文次郎に、ゆうきは萎縮しながらも、目を逸らさずに見返し続けた。
三木ヱ門はハラハラしながら2人のやり取りを見守る。
潮「はぁ…分かった。今日は終わりにしよう。全員起こせ。」
「「!!!」」
ゆうきと三木ヱ門はびっくりしたようにお互い顔を見合わせ、意外そうに文次郎を見た。
潮「なんだ!お前が終われと言ったんだろう!三木ヱ門も文句あるのか!」
田「い、いえ!」
「潮江君、ありがとう!!」
潮「別に、たまにはこういう日があってもいいと思っただけだ。」
三木ヱ門とゆうきは思わず再び顔を見合わせて、笑い合った。
下級生3人は寝ぼけていたため、ゆうきと三木ヱ門で長屋まで送ることになった。
田「よし、団蔵で最後ですね。」
団蔵を部屋まで送り、布団に寝かせて2人は廊下へ出た。三木ヱ門はゆうきに向かってペコっと頭を下げる。
田「ゆうきさん今日は遅くまでありがとうございました。握り飯も美味しかったです。」
「いえいえ〜、私でよければいつでも手伝いに呼んでね。」
田「それと…綾部がしたこと、すみませんでした。」
三木ヱ門はもう一度頭を下げた。