第20章 会計委員会
「こういうのこそ私の分野でしょ?これくらいしかできることないし。それに潮江君が抜けたら大変じゃない!潮江君の仕事も止まっちゃうし、皆も分からないところ質問できずに進まないかもしれないし。ね?ここは私に任せて!」
ゆうきに捲し立てられ、文次郎はため息をついたが頷いた。
潮「おい、団蔵。お前も手伝って来い。」
団「え!!いいんですか!?わーい、ゆうきさん行きましょう!」
「ちょっと団蔵君!もう夜遅いから静かに…!」
仕事を抜けて、ゆうきと一緒にいられるとあって、団蔵はテンション高く飛び出して行った。2人がいなくなった後、三木ヱ門がポツリと呟く。
田「団蔵、多分理解してませんよね。」
文次郎はもう一度ため息をついた。
潮「左吉、お前も手伝いに行って来い。」
左「ええっ!握り飯を作るのに3人も要りますか?」
潮「バカタレ。毒でも盛られたらどうするんだ。」
左吉は驚きの声を上げた。
左「ええっ!?ゆうきさんに限ってそんなことは…」
田「左吉、忍者はまず疑わねばならない。彼女がどんな人間かもよく分かっていない状態で完璧に信頼を置くのは危険だ。」
左「は、はい…。」
潮「よし、急いで行って来い。そして手伝うフリをしてあの女の手元から目を離すな!」
左「は、はい!!」
左吉は慌てて会計室を飛び出した。
田「一年生2人で大丈夫でしょうか。」
潮「あの女が2人に危害を加えることはないだろう。2人に何かがあれば1番疑われるのはあの女だからな。しかし握り飯に毒を盛られれば、事故や食中毒で片付けられる可能性がある。左吉ならきっと大丈夫だ。」
田「そうですね、左吉を信じます…ってこら!!左門!!起きろ!!」
神「ふがっ!?」
いつのまにか意識が飛んでいた左門は、何事もなかったかのように仕事を再開した。