第20章 会計委員会
文次郎は会計室の戸を開けようとして手を止めた。
田「潮江先輩、どうかされました?」
資料を手に持った、四年ろ組の田村三木ヱ門が声をかける。
文「しっ」
団「御破算願いましては〜……なり……なり…」
「ちょ、ちょっと待って!もっとゆっくり……。」
神「ゆうきさん、落ち着いてください!」
「………、できたー!!!答えは八百五十三!!」
左「御明算!」
「「「やったー!!!」」」
4人がハイタッチしながら喜んでいると、ガラッと戸が開いた。
団「潮江先輩、田村先輩!」
潮「よし、全員揃っているな。」
田「左門までいるとは珍しい。」
上級生2人は、4人の前に着席する。
潮「…ところで一体何をしていたんだ。」
文次郎は帳簿を開きながら、下級生に問うた。
神「ゆうきさんに頼まれて、皆で算盤をお教えしていたんです。」
左「算盤を使ったことがなかったそうなので。」
潮「な、なに〜?」
文次郎は信じられんとばかりに、ゆうきを見た。
「お恥ずかしい…笑」
(本当は小学生の時に習ったような気もするんだけど…笑 全く覚えてなかったなぁ汗)
団「でもゆうきさん、すごく飲み込みが早いんですよ!問題を出したら全問正解だったんです!」
目を輝かせて話す団蔵を、文次郎は一喝した。
潮「馬鹿もん、二桁、三桁の計算などできて当たり前だ。あんたもそんな付け焼き刃の算盤では、計算など任せられんぞ。」
「あ、ううん!元々今日のお手伝いで活かせるとは思ってなくて。単純に興味があったのと、できるようになったら事務のお仕事にも使えるからさ。みんな本当にありがとうね!」
ゆうきに微笑まれて、下級生3人は嬉しそうに返事をした。
潮「はぁ…事務のお仕事ねぇ…。まぁいい、では本日の委員会活動を始める。」
「「「お願いします!」」」
文次郎の一言で、会計委員会の活動が始まった。