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異世界へのいざない【落乱】

第20章 会計委員会


「失礼しまーす」

ゆうきは会計委員会が使用している部屋を訪ねた。

団「あ!今日はゆうきさんが来る日でしたね!やったぁ!」

左「ゆうきさん、この席にどうぞ。」

一年は組の加藤団蔵と、い組の任暁左吉が出迎えてくれた。

「団蔵君、左吉君、ありがとう!一年生しかまだ来てないの?」

左「あ、はい。先輩方もそろそろ…」

左吉がそう言いかけた時、ものすごい速さで近づいてくる足音が聞こえてきた。

神「会計室は……、こっちだーーー!!!!!」

ドタドタドタ、スパーン!!!

勢いよく会計委員会の部屋に飛び込んできたのは、三年ろ組の神崎左門だ。

団「神崎先輩!!お一人でよく辿り着けましたね!!」

一年生2人の驚きように、ゆうきは目をぱちくりさせる。

神「あぁ!進退は疑うことなかれの精神で走っていたら半刻ほどで着いたぞ!」

(半刻って、現代だと1時間くらいよね…。え!?一体どこから走って来たの?)

自信満々の左門を見てポカンとしているゆうきに、左吉がこそっと教えてくれた。

左「神崎先輩は決断力のある方向音痴なんです。」

「な、なるほど…?」

神「あ!ゆうきさん今日はよろしくお願いします。」

ゆうきを見つけて、礼儀正しく挨拶をする左門に、慌ててゆうきも頭を下げた。

「こちらこそよろしくね!」

下級生3人は、いそいそと委員会の準備を始める。

「あれ?みんなが持ってる算盤、ちょっと大きいね??」

団「ああ、これ…持ってみます??両手で持ってくださいね…」

何気なく団蔵から算盤を受け取ると…

ずしっっっ

「何これ!?重っ!!」

ゆうきは危うく算盤を落とすところであった。

左「会計委員会名物の10kg算盤です。」

「じゅっきろそろばん…?何でそんなものを…」

神「会計委員会委員長の潮江文次郎先輩は忍術学園一ギンギンに忍者していると言われていて、自分にも人にも厳しいんです。これも鍛錬の一環なんです。」

団「これを持って裏山まで走ったり、池の中で寝たりするんですよ。」

3人は当たり前のように話すが、どこか諦めているようであった。

「な、なるほど。みんな大変なのね。あ、ねぇねぇ普通の算盤もある?ちょっとお願いがあるんだけど。」
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