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最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心



会計は別に割らなくてもよかったけど、今の人間関係を考えると割るのが一番気を遣わせなくて済む。

女3人は自分たちも出すって言ってきて、みさきに至っては“貧乏じゃない”とか的外れな事まで言ってきてマジで笑えた。

知ってるっつーの。
数年前までは俺よりもみさきのが報酬が多かったぐれぇなんだから

もちろん払うのは自分のつもりだけど、初めから奢られるつもりで来る女は好きになれなくて、けど、この3人はそういう計算とか媚とか全くねぇ。

3人ともそれぞれ好きな仕事で自立して、奢られて当たり前だとは全く思ってないようで、しっかり礼を言ってくれた。


店の裏の駐車場に出て帰り方を決めたのに、黄瀬が進藤にまとわりついて離れないせいで全然帰れねぇ。


進藤のため息と困り顔に助け船を出したのは青峰だった。

みさきから、黄瀬が進藤にベタ惚れな事は聞かされてたけど、振られるなんて一言で言う事聞くのは驚いた。



青峰にどつかれて進藤から離れた黄瀬をみさきの車に閉じ込めると、往生際悪く降りようとしてんのかドアノブに手を伸ばした。

「ちょっとだけ!あとちょっとだけっス!」

「お前うるせぇな!進藤も明日仕事なんだから早く帰らせてやれよ」

「ねぇ開けて!ちょっとだけ!」

多分青峰は黄瀬を放り込んだ時チャイルドロックをかけた。
引いても開かないドアノブにガキみてぇに駄々をこねる黄瀬が普段テレビやら雑誌で見るのとは別人で面白すぎるけど、ドアは開けてやらねぇ。




すでに一番欲しかった女といられてんだから、今はあの二人を邪魔すんな。







青峰がみさきに何か話しかけて、青峰が背を向けたら今度はみさきが青峰を呼び止めてなんか言って、何を話してるのか気にはなるけど盗み聞きみてぇなことはしたくなくてそのまま車で待った。

最後の青峰の口の動き…

“おやすみ”か…









青峰が車に乗るみさきを見て信じられねぇくらい優しい顔をして笑ったように見えたから、そう遠くない未来にこいつらはくっつくんじゃねーかって何となく感じて、そうなって欲しいとも思えた。

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