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最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心




「ねぇ、ほんとに払わなくていいの?ちゃんと仕事してるし貧乏じゃないよ?」

「いーんだよ。居候させてもらってんだからこのぐらい気にすんな」

「いいの?」

「いいって」

あたしたち3人も結構たくさん食べたのに結局お会計は大我と青峰さんと黄瀬君が全部してくれた。



大我は結婚式では少し飲んでたみたいだけど今日は飲んでないし、あたしも明日4時に家を出ないといけないからお酒は飲んでない。

黄瀬君は結構呑んだのか酔ってて、いつも美緒にはデレデレだけど今日はもっとあからさま

「美緒、帰っちゃダメ。俺んちに帰ろ」

デレンデレン
なんかあたしが恥ずかしい…

「明日仕事だし、スーツがないから今日は泊まれない。会社の荷物もないし今日は無理」

美緒も少し飲んでたけど全然酔ってなくて、黄瀬君を何とかなだめようとしてる

さっきからこのやり取りを何度も繰り返して美緒もため息をついてる。


美緒とさつきは青峰さんが乗せてってくれるけど、黄瀬君が美緒を離さないせいで全然帰れないし、黄瀬君は私が乗せていくから私も帰れなくて、結果みんな帰れない。

「おい、黄瀬!!そのだらしねぇ顔やめろ。気持悪りぃ。今日は無理だっつってんだろ。しつこいと振られんぞ」

痺れを切らしたのは青峰さん


フラれるって言葉が効いたのかすんなり美緒から離れた黄瀬君をすかさず青峰さんがあたしの車に乗せて、降りようとする黄瀬君を大我が抑え込んでる。

「大丈夫か?任せちまって悪りぃな。明日から仕事だろ?」

「大丈夫です。同じマンションだし大我いるので最悪担いでもらいます」

「そうだな。気をつけてな。仕事頑張れよ」


そう言って青峰さんが背を向けたのに…
言うことなんて何も考えてないのに…

勝手に口が喋りだす。

「…あの!」

「ん?」

「ご馳走様でした。…今度お返しさせてください」

「あぁ。楽しみにしとく。おやすみ」


車を発進させて今自分が口走ったことを思い出す。

あたし今、何言った?
今度って…会ったら好きになるって分かってるのに

恋愛したくないと思いながら好きになると分かっててまた会いたいと思う

ひどい矛盾だって自分でも分かってる。
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