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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


「ゲッ!大我に聞いたんでしょ」

「珍しく察しがいいな」

「もー!大我のおしゃべり。今度会ったら絶対こちょこちょしてやる」

「は⁉こちょこちょってなんだよ⁉」

え?青峰君こちょこちょ知らないの?まさか、こちょこちょって方言?

「え、くすぐるってこと」

「いや、それは分かるっつーの。なんでこちょこちょが仕返しみてぇになってんだよ」

「大我ってね、こちょこちょ嫌いなんだよ。起きない時とかもこちょこちょするとすぐ起きるの」

マイアミでもこちょこちょして起こしたらすっごい変な笑い方して起きて、くすぐったいって不機嫌だったのを思い出して笑いがこみ上げた。


「お前ってさ…」

「ん?」

「いや、なんでもねぇわ…」

途中でやめられて気にならないわけじゃないけど何故か笑ってるから、別に悪いことではなさそう。


「あのね、あたしお腹空いたからなんか食べたい」

「ルームサービスばっかも飽きるし、ホテル内だけど部屋から出るか?」

「うん!」

青峰君と居られるならあたしはどこでもいいけどお部屋から出るならしっかりお化粧しておいてよかった
それにホテル内ならこの間の青峰君にもらったヒールを履ける

さすがにデニムのままでは出れないからクリーニングから上がってきたワンピースを着て髪は緩めのシニヨンにまとめた

同じワンピースでも髪形を変えてメイクも変えるとちょっと雰囲気が変わる


「お待たせしました」

「行くか」

その言葉と一緒に当たり前の様に背中に手を添えてくれて席に座るまでずっとそうしててくれた

紳士的なのに嫌味っぽくなくて自然で、エスコートされるのはすごくくすぐったいのに嬉しかった

メニューの説明をしてくれたウエイターがいなくなって個室に2人になって、メニュー表は2冊あるのに何故か1冊を2人で見て一緒に選んだ。


漢字が読めなくて2人で適当な読み方をして笑って全然決まらない
もちろん英語表記があるからそれを見れば分かるけどあえて見ずに適当に読む


楽しくて幸せでずっと笑ってた
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