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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


「見てたんじゃなくて視界に入っただけ!」

「その割に巨乳なところはバッチリ見てんのな」

「見てない」

「また始まったなこの強情女」


絶対あたしのことからかってる。
なんでそんなに笑うの⁉

クツクツ笑って肩揺らしてちょっと涙目になるほど笑ってる


「もう!意地悪しないで‼‼」


抗議して青峰君を見上げるとヒヤリと頬に冷たい感覚があって突然視界がボヤけた


「あ、やだっ…コンタクト落ちた!」

「拾うから動くなよ」

さっき涙目になったせいでコンタクトが浮いてるのにいつもより目を上に動かしたせいで外れてしまった


あたしはどこに落ちたか見えなかったのにすぐに拾ってくれて洗面所に連れてってくれた
すごく目が悪いせいで片目がないと平衡感覚が保てない。




洗って目に戻してから青峰君にお礼を言ったら、まじまじとあたしの顔を至近距離で見てくるからすごく恥ずかしい…


「あの……えと……どっか変??」

「いや、コンタクトっつーからてっきりカラコンなのかと思ってた」

あ、そういうことか…
目の色がグレーっぽいからカラコンなの?ってよく聞かれることはあるけど実は違う


「あ、違うの。色は元々こういう色だから、カラコンしても綺麗に発色しないの」

「カラコンなんかすんなよ。その色すげぇ綺麗」

「えへへ。そかな?」



小さい頃はコンプレックスだったパパ譲りのこの目と髪の色

大人になってからは気に入ってたけど、好きな人に“綺麗”なんて言われたらもっと好きになれた。



バスルームを出てカウチに戻ってごろごろして、スマホでクリスマスコフレのチェックをして可愛すぎるパッケージに悶えて



お出かけはできなくても一緒にいられるこの空間がすごく楽しくて、お出かけができないことも全く気にならない。

「お前ほんとちょっと仕事から離れろよ」

隣の青峰君に呆れたように言われちゃったけどこれは仕事だけど趣味なんだもん


「コスメは仕事だけど一番好きなの。だからやめられないの」

「それなんか分かるわ」



こういう時否定しないでくれるとこが本当に好き

あたしにとってメイクは自分そのもので人生そのもの
やめろって言われてもやめられない

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