第7章 近づく距離
「綺麗で巨乳ってなんだよ?」
「いや、別に、このテレビの話?」
「んなわけねーだろ。どう見てもおっさんがニュース読んでるだけだろーが」
しまった。
全然テレビを見てなかったせいで頓珍漢な返しをしてますます怪しまれてる。
だけど言いたくない
「青峰君には教えない」
目を見られたら心を読まれそうで顔を横に向けたのに、頬を挟まれて元に戻された
ヤだっ!
なんでこんなドキドキさせるの?
あたし今絶対意地悪な女の顔してる
見られたくない…
「綺麗な巨乳なら俺も会ってみてーんだけど?」
「ダメ……」
ってゆうか、さっき会ってたし喋ってたじゃん
ダメもへったくれもないよ
「なんでだよ?」
「だって……やなんだもん」
しまった……
これは絶対束縛だよね
それにやだっていったいどんな権利があってそんなことを言ってるんだろ。
彼女ならまだしもあたしは全然そんなんじゃない…
あたしがいやでも青峰君が会いたいなら仕方ないって自分に言い聞かせるのに涙がせり上がってきてしまう
「会わねーよ。俺はお前に会いに来てんだっつーの」
「え?会わなくていいの?」
てっきり会いに行くとばっかり思ってた
だってすごくきれいな人だったし巨乳だったし
でも、今のなんか嬉しかった
「つーか綺麗な巨乳って誰だよ」
「さっきジムで…」
そこまで言いかけて青峰君がニヤッと笑ったのが見えた
しまった…またやってしまった。
「ふーん。見てたんだな」
でも今のは青峰君ズルい‼‼
あたしがやらかしたって言うより青峰君が誘導尋問であたしを引っかけたんだから
やったって言うよりやられたって言った方が正しいもん‼‼
だけど、すぐ引っかかるあたしもあたし
誰かこの口を黙らせて