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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


青峰君の部屋にいることは覚えていたし、意識もしてたけど、こんなに寝心地のいいベッドで寝れるのは久しぶりで、起きなきゃと思うのに目が開かない。



夢うつつっていうの?

現実と夢との境にいる感じで気持ち良すぎて目が開けられない


せっかく一緒にいるのに寝てたらもったいないって思うのに、このマットレスから起き上がるのももったいない。

青峰君もここで寝てくれればベッドも青峰君も独り占めなのに、なんて馬鹿なことを考えてまた眠りに落ちた



二度寝は朝だけじゃない


お昼寝だって二度寝は最高なんだから




最高なの




だからついつい寝すぎて




時間の感覚がない程深く眠って…


そろそろ起きようかなって目を開けるともう暗くて寝始めたときにはカーテンの隙間から漏れ入ってきていた光も見えない




え…?


夜ってこと?







「うそでしょ?今何時?あたしどれだけ寝てたの…」


人の部屋に来て堂々とベッドを使って


明るいうちから完全に夜になるまで寝続ける


あたしの神経は図太い以外の何物でもない


とにかく起きよう




寝すぎてぼーっとする頭を働かせて上半身を起き上がらせて、ベッドからふっかふかのラグに脚を降ろして

リビングに向かおうと脚をふみだした矢先……







「ぎゃぁっ‼‼」




自分の足に躓いてバランスを崩して、色気のない声とともにその場に転んでしまった。


あたしはお年寄りか何かですか…?


自分の足に躓くって間抜けすぎ



あまりにもお粗末な自分に呆れていると、部屋のドアが開いて焦ったような青峰君の声が聞こえた。



「おい!大丈夫か⁉」

「…ん」

ドアが開いたことで光が差し込んで、部屋が明るくなってラグに座り込むあたしを青峰君が腕を引き上げて立たせてくれた。

「何やってんだよ。気を付けろよ」

「足がもつれちゃって…てゆーか寝すぎました。今何時?」


好きな人に見られた寝起きが前回に引き続き最悪


寝落ちの次は爆睡のお昼寝で転んだところを見られるっていう…

ドラマとかのヒロインが寝起きが可愛いのは、あくまでもドラマだからであって現実はそう上手くはいかない。
だけどあたしの場合はちょっと酷すぎる。

もう、あたし、ほんと何やってるんだろ。

 
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