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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


『はい』


早朝で、スタッフが来るような時間じゃなくて、エージェントだとばかり思って相手も確認せずにドアを開けてしまった…





















『ただのメイクのあなたがタイガの部屋でなにしてるの?!』


相手はジェシカだった…

あたしを見た瞬間に顔を歪ませて、棘のある声で明らかに不快感をアピールされた。

“ただの”っていう部分に込められた悪意が透けて見える。


だけどここで反論しても何の意味もない。

『既に私は仕事を始める時間ですので』

『納得できる仕上がりじゃなきゃすぐに変えるから』

『承知しております』

確かにジェシカが納得しなければあたしはメイクとしては不合格。
何としても納得させなくちゃいけない


『タイガは?』

『お手洗いです』

シャワーですなんて言ったら何を言われるか分からない。
ユニットバスで助かった…



『下で待ってるって伝えて』


一瞬バスルームに視線を飛ばしたからシャワーの音が漏れてるのかと思ったけど、言うなり背を向けて歩いて行ったからホッとした。






はぁー。ビックリした…


確認もせずに出るなんて迂闊すぎた。


パパラッチだったら大変なことになってた。

まぁ大我はプライベートの写真が出ないように人を使ってるけど、そういう問題じゃない。

SNSにでも流れてビーチに人が殺到すれば、撮影すらできなくなる可能性があった。


そうなれば現場を外されるだけじゃ済まなかった。




ドキドキと早く動く心臓を落ち着けてると、シャワーを終えた大我がバスルームから出てきた。



「今ジェシカが来て下で待ってるって…」

「はぁ⁉開けるなよ‼お前何考えてんだ‼」

「ごめん…ジェシカって思わなくて…」


さっきまで機嫌は悪くなかったのに、あたしが迂闊に開けたせいで大我がまた昨日と同じように怒り始めた。

「危ねぇだろ!何かあったらどうすんだよ‼…撮影中も勝手にどっか行ったりすんなよ。行くならちゃんとセキュリティと一緒に行け。絶対だ!」

「分かった…ごめんなさい」


いつも怒らない大我にものすごい剣幕で怒鳴られてびっくりした。




だけど今回はあたしが全面的に悪い。


ちゃんと言うこと聞こう
いくら気心知れててもこれ以上は怒らせたくない。
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