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最愛 【黒子のバスケ】

第25章 起憶


言葉なんて何もないのに肌が触れ合うだけで深い愛情を感じられる気がした


いつも眠るときみたいに二人で向き合って抱きしめ合って、優しく背中を撫でられると、ビリビリと電気が走るような慣れない感覚に戸惑った


ドキドキがピークを越えて少しずつふわふわとした感じに包まれると青峰君が少しだけ体を離してあたしの唇に触れるだけの優しいキスをしてくれた


触れるだけから、ぴったりと重なるキスになって、そっとつつかれた唇を開くとあったかい青峰君がゆっくりとあたしの口内を撫でて、あたしと絡み合った


「んっ……はぁっ……」

「苦しいか?」

「ううん……」


もっと…

もっとキスして欲しい


いつもキスをおねだりするときみたいに鼻をつつくと優しくカーブする口元

すぐに重なる温かくて柔らかい唇に今度はあたしが入り込んだ


広いベッドルームにあたしたちの息遣いとリップ音、絡まる水音が静かに響いて、視覚からはほとんど情報が得られないせいか聴覚と嗅覚はいつもの何倍も敏感に働いてる気がした


青峰君の匂い、大好き

聞こえる音が恥ずかしいのに、何とも言えない幸せな気分ともっと先を知りたいって気持ちにさせる




横っ腹から少しずつ上に上がる大きな手にあたしの小さなふくらみの横をそっと撫でられてピクリと体が反応した


「…大きくなくて…ご……」

「謝るな。俺はお前に惚れてる。胸が小さかろうが、痩せてようがそれがお前だ。黒須みさきって存在自体が俺にとって何よりも価値がある」


好みとは違うことを知っていても、青峰君の言葉で自分のコンプレックスが少しずつ和らいでいく


「青峰君…」

「ん?」

「……朝まで……このままが…いいです……」

「お前がいいならそうさせてもらう」


いつもあたしペースでごめんね
でもありがとうございます


青峰君と一緒に経験する緊張やドキドキはいつもあたしを幸せにしてくれる

青峰君の体温はいつもあたしに安心をくれる


あたしを抱きたいって言ってくれたことが嬉しかった
愛してるって真っすぐに目を見て言ってもらえると心の底から信じられて、嬉しくてたまらなくなる



考えれば考える程してもらってばっかりで、どうしたらこれを返せるのか今はまだ全然分からない


だけどあたしは生かされてる
たくさんの人に助けられた命で幸せを感じてる
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