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最愛 【黒子のバスケ】

第6章 take off


アメリカ育ちならスキンシップは慣れてんだと思ってた。

向こうじゃ付き合ってる女の腰抱いて歩くなんて全然普通。
今まで男と付き合ったことがねぇとは思えねぇから、カフェで普通に抱き寄せたけど黒須はガッチガチになってた。

屈んで目線を合わせた時、目がうるうるして顔が赤くて、泣いちまいそうで、俺がするより火神に任せた方がよかったんじゃねぇかって思ったけど、離した後も普通に話してくれた事にほっとした。

遊んでる感じはしねぇけど全くモテねぇって感じじゃねぇ。

男がいたなんて別に当たり前で悪いことでもなんでもねぇけど、黒須の反応は男に免疫がねぇって言ってるようなもんだった。


なんとなく緑間の言ってたことと火神が誤魔化そうとした理由が関係あんじゃねぇかって感じて深く追求すんのはやめた。



気にならねぇ訳じゃねぇけど過去は過去。


大事なのはこの先だ。


一目惚れなんて、言葉は知ってても自分が経験する事はねぇと思ってた。
自分に好みの顔があることも、黒須を見て初めて気づいた。

女がどんな風に飯食うかなんて気にしたこともなかったのに、黒須の食い方がすげぇ綺麗で、でも気取ってる感じはなくて、美味いものは美味いってニコニコしてて、一緒に飯食えたのがすげー楽しかった。

火神とはずっと一緒に育ってきたからなのかもしれねぇけど、自然に名前を呼びあって、目を合わせるだけで会話になる2人を見るとなんとも言えねぇ感情が湧き上がった。

進藤とさつきが黒須にえびを食わせたとき、食べさせて貰う前提で口を開ける黒須がめちゃくちゃ可愛くて、そういう事をするカップルをアホくせぇとか思ってたのに、俺がやりてぇって思わされた。

黄瀬と一緒に仕事してるからだろうけど、黄瀬にはタメ口で話してて、それすらも嫉妬した。

アメリカに戻ればネロに会えんのに、まだ日本にいてぇって思ったのは黒須がいるからだ。


けど、連絡先すら聞けなかった。
断られたくねぇって思うと、言葉が出なくなった。

それすらできねぇくせに、また会う口実が欲しくて必死に探した結果がタキシードだった。





日本でのことを思い出せば出すほど自分の女々しさに嫌気が差して、全く眠くねぇけど無理やり目を閉じた。
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