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モデルのボーダー隊員~番外編~

第13章 ストーカーにあったら


迅視点

医務室の先生が言ったように、明希は翌日のお昼頃に目覚めた。
俺と蓮琉を捉えた瞬間、目から大粒の涙を流しながら「ごめんね」と何度も謝り続ける。
その言葉の意味は聞くまでもなく理解出来た。優しい明希だから、俺達を危険な目に合わせたことに罪悪感を覚えているんだろう。

「何も気にしなくていい。明希がいつもの明るい明希で居てくれれば、俺達はそれでいいんだ。寧ろ、俺の方こそごめん。早く気付いてあげられなくてごめん」

そう言って、寝たままの明希の頭をそっと撫でる。

「俺も、姉さんを守れなかった。姉さんが眠っている姿を見るのはもう見たくなかったのに...ごめんなさい」

蓮琉も俺に続いて謝り、明希の手を握った。昨日よりは血色の良くなった肌は、それでもいつもよりは白かった。

「2人は悪くないよ...?それに、僕は十分守ってもらった。あの時みんなが来てくれなかったら、僕はもっと血を流して失血死してたし、カゲさんも死んでたかもしれない。僕とカゲさんを助けてくれたんだから、2人が悪いなんてことは無い。...他のみんなもそうだよ。そろそろ入ってきて?みんなの顔が見たいな」

明希が体を起こしながら、扉に向かってそう言う。するとそっと扉が開き、昨日明希を助けるのを手伝ってくれたみんなが入って来た。
佐鳥と天羽に関しては扉が開いたと同時に明希に抱き着いていた。

「明希ちゃん先輩ーーーーー!!!目が覚めてよかったああああああああ!!!!」
「あぁ、賢泣かないで。もう大丈夫だからね?」
「...」
「天羽君、グリグリは痛いよ〜...2人とも心配かけてごめんね。それに、みんなも」

2人あやしていた明希が全員に目を向ける。秀次も出水も京介も、みんなどこか悲しそうな顔をしている。

「カゲさん」
「お、おう...」

そんな中、名前を呼ばれた影浦が戸惑いながらも返事をした。

「さっきの会話聞こえてたかもしれないけど...ごめんなさい。命の危険に晒してしまって、銃を向けさせてしまってごめんなさい。それと...」
「...なんだよ」
「一生懸命助けようとしてくれてありがとう。凄く嬉しかった」
「お、おう...こっちこそ、怪我させて悪かったな。...目ぇ覚めて安心した」

何か頭にふわふわした物が刺さったようで、終始ムズ痒そうにしていた。
病室の空気も、先程よりも和やかになっていた。
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