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モデルのボーダー隊員~番外編~

第13章 ストーカーにあったら


蓮琉視点

姉さんと影浦先輩が安否確認の後から連絡が付かなくなった。どうも嫌な予感しかしない。
2人が逃げたのは警戒区域に建つ家だと姉さんが言っていた。でも、それがどの家なのかわからない。

「クソッ!」
「落ち着け蓮琉。さっき迅さんを呼んだ。佐鳥が菊地原も呼んでくれてるからな」
「...済まない。だが、姉さんが心配で...」
「気持ちは分かる。だが、焦っても仕方ないだろう」

とりまるに宥められるが落ち着けるわけがない。俺の唯一の家族なのに...。

「俺にも何か能力があれば、姉さんを助けに行けたかもしれないのに...」
「無い物ねだりは良くねぇぞ?えっと、蓮琉だっけか?マジで似てねぇのな」
「親がどっちも外国人で...ってそんな話はどうでもいい!早く姉さんを!」

本来の目的から脱線していた話を戻したはいいが、緩い雰囲気は変わらない。

「落ち着け蓮琉。今迅さんから連絡が入った」
「兄さんから?なんて来たんだ?」
「『今明希が居る建物に着いた。今から入るから、お前らも早く来い』だと。ちゃんと地図も送ってくれてるぞ」
「直ぐに行くぞ!」
「俺は菊地原たちを待つ。先に全員行っててくれ」
「分かった」

とりまる1人残して、送られた地図の場所まで急ぐ。そこは案外近くの綺麗な建物だった。

「兄さん!」
「蓮琉!秀次達も来てくれたのか」
「明希のためだ」
「それでも嬉しいよ。ありがとな」
「それより兄さん、早く入って助けないと...」
「落ち着けって蓮琉、わかってるから。静かに入るぞ」

全員がその言葉に従って静かに入る。兄さんの指示で部屋の隅々まで探したが会話が聞こえたり、物音がしたりは一切無く、誰もいない空き家そのものだった。

「おかしい...何故誰もいないんだ...?」
「迅さんの読み間違いなんて事は無いと思うけど...」

1度全員集まって話し合う。兄さんはここだと言い切っているが、本当に誰もいない。手詰まりかと思った時

「この家であってるよ」

とりまるが菊地原と歌川を連れて来てくれた。

「地下から声が聞こえる。早くしないとヤバいかもしれない」
「地下への入口は分かるか?」
「...こっち」

菊地原に着いて行くと、台所の床下倉庫みたいな蓋を開けてここだと言う。兄さんを先頭に、暗い空間を降りて行く。
地下に着くと同時に、乾いた音が空間内に響いた。
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