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モデルのボーダー隊員~番外編~

第13章 ストーカーにあったら


その日のお昼

約束通り秀ちゃん達の輪に交ざってお昼にする。陽介君が誘ったようで、普通校17歳組(女子含む)も揃っていた。
まぁ、誰かに相談に乗って欲しかったし、何より1人で抱え込もうと思っていたが限界が近かった。

「話せるか?」
「大丈夫、話せるよ。その前にこれを見て欲しい」

話を始める前に、今までポストに入れられていた写真や手紙をみんなに見せる。流石に更衣中のものは抜いてあるが、入っていたことを伝えておく。
数名がある写真を見て眉間に皺を寄せる。僕が寝ている姿を捉えた写真だ。

「明希。今日は家に帰らないほうがいい」
「え、何で?その写真と関係あるの?」
「大アリだよ。寝てる時の写真なんて、外の窓越しじゃ撮れないじゃん。そういう事だよ」
「...え...あ、うそ...」

瑠衣に説明をもらってやっと理解できた。この写真は外から撮ったんじゃなくて、家の中から撮ったものだったんだと。
でも、どうやって?いつも出かける前や寝る前には戸締りしてるのに...

「藤咲さんって、普段家の鍵はどこに入れとん?」
「え、あ、カバンの横ポケットに...」
「なるほど。明希が鍵をしまうところを犯人が見て、移動教室か何かの時に盗んだのか」
「俺の予想やけどな。ほんで、放課後になるまでに自由に校外に出れる人間言うたら、先生くらいしかおらん。合鍵作るんにそない時間掛からんらしいし、確か三門市内にも鍵屋さんあったしなぁ」

孝二君の言葉で背筋に寒気が走った。もしそれが本当なら、僕の家は世界中の何処よりも危険だ。あの写真も、今はまだ何も起こってないけど、今夜は本当に危ないかもしれない。
気付けば体がガタガタと震え始めていた。それに気付いた秀ちゃんが、大丈夫かと聴きながら背中を摩ってくれるも、頭を左右に振るしか出来ない。声なんてまともに出ない。

「落ち着け明希。取り敢えず、暫くは玉狛か本部で泊まった方がいいぞ。本部ならアタシら以外にも、太刀川さんとか風間さんとかいるしな!」
「いや、あんま人を増やさない方がいいんじゃないか?今度は心配されすぎて藤咲が困るだろ」

ろっくん(若村)がそう提案してくれる。確かに、あまり多くの人は巻き込みたくない。
正面に座っていた公平君が、少し考えた様子を見せてからそうだなと言った。

「若村の言う通りだな。このメンツと...そこに居る後輩達だけで十分だろ」
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