第13章 ストーカーにあったら
それから約3日後、毎日たくさん写真が入った封筒が入れられていた。更衣中のものやトイレに入っていく姿の写真まで入っており、極めつけは僕が寝ている姿。何で寝てる時のが撮れるのか甚だ疑問だが、それは取り敢えず後で考える。
そして、初日に続き一昨日と今朝も手紙が入っていた。内容は初日よりも酷くなり、今朝のは完璧にアウトな内容だった。要約すれば、
〈今すぐ男(蓮琉)から離れないと、そいつに酷い事されるかもしれない。執拗いようなら俺がなんとかしてあげる。君は俺のモノだよ〉
〈いつになったら離れるんだ?君は俺のものであって、ソイツのものじゃない。...俺の忠告を無視した罰は必ず受けてもらうよ〉
と言った具合。姉弟だが顔が似ていない所為でカップルに見られる事はよくある。それよりも、今朝送られてきた手紙は無視できない。今日は本部か玉狛に泊まろうか?
「姉さん、ぼーっとしてると危ないぞ」
「あ、ごめんね」
登校中もやはり感じる嫌な気配。執拗いのはお前だよ。
教室に入っても、未だに気配は消えない。自分の席で伏せていると、聞きなれた元気一杯の声が掛けられる。
「お!明希おはよ!」
「おはよう陽介君。今日も元気だね」
「おう!明希は最近元気がねぇな。...流石に嫌な夢見たじゃ通らねぇぞ?」
感の鋭い陽介君に、繕った笑顔を見抜かれてしまった。相談すべきか迷っていると、公平君と秀ちゃんに声を掛けられた。序に2人にも悟られた。
「何かあるなら相談に乗るぞ?」
「男子の俺達に言い難いなら、小佐野や熊谷達に相談したらどうだ?アイツらなら親身になって聞いてくれるだろう?」
「そう言うわけじゃなくて...」
秀ちゃん達に言おうか迷っている間にも嫌な気配は消えず、寧ろ強く濃くなる。しかもそれに比例するかのように僕の気分も悪くなる。ここまで来ると秀ちゃん達にもバレてそうだけど...
「...なるほどな」
「あー...察したわ」
「めんどくせぇもん捕まえたな」
やっぱりバレた。しかし、どこから見られているのか。相手が誰なのかはまだわからない。
「...言い出せなくてごめん」
「謝ることじゃねぇよ。こんなの誰だって言い難いって」
「出水の言う通りだ。取り敢えず、現状の確認が最優先だ。何をされたのか、昼休みに聞くからそのつもりでいてくれ」
「わかった。3人ともありがとう」
