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モデルのボーダー隊員~番外編~

第13章 ストーカーにあったら


蓮琉視点

「ストーカー...」
「もし見つけても、相手が何か行動を起こすまでは何もしちゃいけないよ。逆に俺達が犯罪者呼ばわりされるかもしれないからね」
「何故だ?そいつがストーカーしているとわかった時点で抑えるべきだろう」
「事実的な証拠が無いと警察行きにならないんだ。寧ろ俺達がストーカーだって騒げば名誉毀損になってこっちが捕まる」
「だが...!」

天羽の言う通りなら、相手が動くまで姉さんは怯えながら生活しなくてはならなくなる。万一1人のときを狙われたら太刀打ちしようがない。シュウ姉さんも居るが、それだと暴行で罪に問われる。

「取り敢えず16歳組LINEでこの事は共有しといたから、登校は蓮琉が。下校は何人かで帰ろう。そうしたら万一の時でも安心出来るよ」
「...そうか。ありがとう。姉さんにはこの事を伝えるのか?」
「本人が相談してくれるまで待とう。こういうのって心の準備が必要らしいから」
「わかった」

天羽はなんでも知っていて凄い。俺が知らなすぎるだけかもしれないが、天羽が大人に見えてしまう。
通知の鳴り止まないスマホを開けば、グループLINEでこの話が持ち切りになっている。皆が姉さんを心配してくれているのが嬉しい。

「姉さんは、人から好かれる天才だな」
「蓮琉も直ぐに追いつくよ。明希先輩にそっくりだし」
「そうか?...そうだといいな」

胸の奥が少し熱くなるのを感じた時、スマホが静かに振動し着信音が鳴った。

「もしもし」
『蓮琉!仕事終わったよ!今どこにいる?』
「今はラウンジだ」
『わかった!すぐ行くね!』

元気一杯のハツラツとした声。心地よいアルトが耳を通り頭へ響く。きっと、声に比例して楽しそうな笑顔を浮かべているんだろうと予想できる。
その予想通り、ラウンジに入って来た姉さんは年相応の笑顔を浮かべていた。

「お疲れ、姉さん。いいことでもあったのか?」
「内緒!その時になったら教えてあげる!」
「そうか。楽しみにしてる」
「明希先輩、明日のクッキー忘れないでね?」
「もちろん!沢山作ってくるよ!」
「ありがと」

そろそろ帰ろう。と姉さんに言い、天羽と別れる。
家に着くまでの間、俺が姉さんをしっかり守るんだ。自分にそう強く言い聞かせた。
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