
第13章 ストーカーにあったら
蓮琉視点
5、6限目が終わり、掃除を済ませた頃には5時くらいになっていた。おそらく姉さんが生徒玄関で待ってくれているだろうと、烏丸・時枝・佐鳥・天羽と一緒に玄関へ向かう。
案の定、姉さんは生徒玄関前で待っていた。しかし、少し様子がおかしかった。
「姉さん?」
「蓮琉!あ、京介達も一緒だったんだ!掃除当番だったんでしょ?お疲れ様」
「知ってたのか?」
「ううん。蓮琉に限って居残りは無いだろうなって思ったら、思いつくのが掃除当番だけだったの」
「流石明希ちゃん先輩!」
褒められて少し照れくさそうにする。先程の、どこか怯えたような雰囲気とは全く違ういつもの姉さんだ。
全員で本部に向かって歩く。とりまるは支部に行くため途中で別れた。
道中俺たち以外の人間の気配がしたが、警戒区域に入った辺りから感じなくなった。何だ?
「それじゃ、僕達は広報の方に行ってくるね」
「あぁ。終わったら電話してくれ」
「うん!天羽君もまたね」
「うん。あ、また先輩のお菓子食べたいな」
「じゃあ、明日クッキー焼いてくるね」
姉さんのクッキーと聞いて全員の顔が輝く。どうやら全員姉さんに胃袋を掴まれているようだ。流石姉さん。
姉さん・時枝・佐鳥と別れて俺と天羽はラウンジで宿題をする。
天羽はあまり勉強が得意ではないらしい。粗方終わった俺は天羽に出来るだけわかりやすく教え、2人で宿題を終わらせた。
姉さんからの電話はまだ無い。
「そう言えばさ」
「何だ?」
「さっき変な人がいたの気付いた?」
「あぁ、警戒区域に入った辺りから気配は消えていたから気にしていなかったが、それがどうした?」
「その気配が消えるまでの間、明希先輩がどんな表情だったか見た?」
「いや、見てないが...何かあったのか?」
天羽の言わんとしていることがよく理解出来ず聞き返す。
「気付いてなかったんだ。あの時の先輩の顔、頑張って笑顔を保ってたけど、いつもより暗い顔だったよ。っていうか、少し青かった。多分、ストーカーじゃないかな」
ストーカー...?何だそれは?
よくわからないのと首を傾げると、天羽が詳しく説明してくれる。
「ストーカーって言うのは誰かをつきまといをする事で、酷いと盗撮・盗聴してきたり家まで押し掛けて来たりする犯罪行為だよ」
「犯罪行為?それに今姉さんが遭っているという事か?」
「そうだと思うよ」
