第13章 ストーカーにあったら
学校に到着後、蓮琉を職員室まで案内して早足で教室へ向かう。
職員室から教室までの道すがら、すれ違う人全員が疑わしく見えてしまい、軽く人間不信になってしまう。
(怖い...!誰なの...?誰が犯人なの...?犯人がどんな人なのかすらわからない...!)
教室に入れば、既に登校していた公平君がいつもの明るい笑顔で「明希!おはよ!」と声をかけてくれる。
「お、おはよう、公平くん」
「どうした?なんか顔色悪いぞ?」
「そ、そう?...もしかしたら、悪い夢見たからそれかも知れない」
「そうか。もし体調が悪くなるんだったらちゃんと保健室行けよ?」
「うん...ありがとう」
公平君のお陰でだいぶ落ち着くことが出来た。あの時もそうだけど、公平君には助けられてばかりだ。
「明希ー!弾バカー!おはよー!」
ホッとしたのも束の間、突然大きな声が聞こえたと思ったら公平君共々突撃された。
「わぁ!ビックリした...陽介君、おはよう」
「朝からうっせぇよ槍バカ。おはよ」
「いやぁ、何か二人して辛気臭い顔してたからよ、空気読まずに突撃してみた!」
「いや読めよw」
僕自身は、空気読まずに突撃してくれて正直助かってる。さっきみたいに心配されるのは苦手だから。
「何で辛気臭い顔してたのか知らねーけど、朝から暗いとテンション上がんねぇぞ?」
「お前は高すぎだっつの。もうちょい抑えろ」
「陽介君らしくていいと思うけどね」
「だよな!」
寧ろ暫くはずっとそのままで居て欲しい。
あれこれ話しているとSHの時間になり、担任が入ってくる。僕達はそれぞれ席に戻り、今日も楽しい学校生活が始まった。
昼休み
蓮琉と京介を誘いに1年生の教室へ行く道中、嫌な視線を感じた。辺りを見渡しても、大して気になるような人物は見られない。神経が過敏になり過ぎているんだと自分に言い聞かせて歩を進める。
1年教室に着くと、京介と蓮琉が女子生徒に囲まれていた。デジャブ。
SEで呼ぼうとした時、二人がこちらに気付いて周りの女子生徒に断りながら近付いてくる。
「待たせてしまったか?姉さん」
「ううん大丈夫。さっき来たとこだったし」
「毎度の事ながらすみません」
「気にしないで?それより早く屋上に行こう?みんな待ってるよ」
二人を連れて屋上に向かう。今度は違った意味で視線が痛いが、これは気にしないことにした。
