第12章 女の子の日になったら
「うー...」
只今午前7時。目が覚めてから1時間が経過しました。唸っているのはこの部屋の主、僕(明希)です。
昨日から始まった生理のせいで下腹部が超痛い。僕の生理痛は、酷いと気絶しそうになるレベルだ。
今回もそうかはわからないが、そろそろ起きないと皆に心配をかけてしまう。
痛みを我慢しつつ、出来るだけいつも通りの自分になろうと姿勢を正す。
「おはようございます」
「おはよう、やっと起きたな」
「この時間まで寝てるなんて珍しいじゃない。昨日寝るの遅かったの?」
「んーまぁ、そんなとこ。それよりお腹すいちゃった。今日のご飯も美味しそう」
自分の席に座り、モグモグと食べ始める。その間も鈍痛に見舞われるが、何とか誤魔化した。
中・高生組はそれぞれの学校に登校した。今日も賑やかな教室で、僕も友達と喋って痛みを誤魔化し続ける。
痛みに波があるお陰で登校中は痛くなかったが、今はかなり痛い。正直、友達や授業の内容の半分は覚えてない。
お昼休み
痛みのせいか、あまり食欲が湧かない。蓮琉に「今日は友達と食べる」と嘘を吐き、ご飯を食べずに人気のない所で休む。頭痛・腰痛も始まり、移動するのも一苦労だ。
丁度いい木陰を見つけて、ここで少しだけ休もうと決め目を閉じた。
「ん...あれ...?」
目蓋に強い光を感じて目が覚める。目を開けると、辺りは少し紅くなっていた。時刻は5時半。どうやら、結構寝てしまっていたらしい。
「...授業サボっちゃった...」
痛みが治まったお腹に手をやり、荷物を取りに教室へ向かう。
教室の戸をそっと開けると、誰も居ないはずの教室にいつもの3人と後輩2人が残っていた。
「姉さん!!」
「蓮琉...?何でこの教室にいるの...?」
僕の疑問に陽介君が、この4時間ほどの事を教えてくれる。そんなに心配されてたんだ。なんか申し訳ないな...
「ご、ごめんね?ご飯食べた後眠くなっちゃって、気付いたら寝てたみたい」
ご飯に関しては完全に嘘だが、眠気は事実だ。自分でもあんなに寝るなんて思ってなかった。
途端、消えつつあった痛みが再開し、今日一の痛みに襲われる。急だったため、誤魔化すことも出来ずその場に蹲る。
「ぃっ...!」
「姉さん?どうしたんだ!?」
「明希!!」
皆が心配して声を掛けてくれるが、答える余裕はない。
本当に申し訳ないな...
