第22章 政宗の小姓(R18)
まだ怒りを収めきれない政宗のギラギラした眼が瑠璃を見下ろしている。
それでも、瑠璃もひるまず続ける。
「政宗はっ、怒ってるから、抱き締めても、くれないの?キスもしてくれないの?」
瑠璃の悲しみの目が政宗に向けられている。
(…き、す……?)
政宗の知らない言葉で
「見えてないの、嫌です。見えなくて…
キスもしてもらえなかったら…政宗が、
抱き締めてくれなかったら……寒い…です」
まだ、素直に、抱き締めて欲しい、とは言えないけれど、一生懸命に訴えてくる瑠璃に、
ククッと笑う政宗。
(一生懸命なのな)
「悪かった」
謝った政宗が、意地悪な顔で続ける。
「其処まで言うなら、ちゃんとお願いしろよ。
抱き締めて、きす してって。まっ、言えないで、言おうとして頑張ってるのも、可愛いんだけどな」
「いぢわる…」
「じゃ、きす いらないのかよ」
瑠璃の口から出て来た、初めて聞く言葉。
だけど、何の事だかは何となく解った。
そして、瑠璃の言いたい事も、して欲しい事もちゃんと解った。
「いります」
少し恨めし気に睨みながら、赤い顔で答える瑠璃を政宗は、
(やっぱ、可愛いわ)
と思うのだった。