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氷帝恋物語★テニスの王子様

第1章 ~ATOBE KEIGO~


「クソ…何だこのアーム…ドコの会社だ!!」


「景吾……もういいって。諦めが肝心だよ?」


「アーン?俺はお前の為に…」


「うん。だからもういいの。ありがと景吾」


「チッ…」


舌打ちをすると、は困ったように笑う


「もう車呼ぶぞ…」


それが居た堪れなくて、俺は誤魔化すように迎えを呼んだ
近くまで来るということで、歩いて向かう


俺は先ほどのことがあってから、より先を歩く
も気にしてか、少し後ろを歩く


いつもなら言い返してくるのに何も言ってこねぇ
ったく…いつもの強気はどうしたよ


そんな事を考えてるうちに、いつの間にか距離が開いていて、気がつくとの姿が見えない


人混みに紛れたか?
チッ…イラついて置いて行くとか…


「ガキかよ…」


俺は踵を返しを探した
すると簡単に見つかった


だが…


「うっわマヂかわいー♪ねぇねぇ1人?俺らと遊ばない?」


「1人じゃないし…離して…」


「声までかわいーじゃん!!俺モロタイプなんだけど❤」


数人の男達に囲まれている
それを見た瞬間、俺はを掴んでいる男の一人の肩を掴むと、から引き剥がした


「ってえ…誰だてめえ…」


俺はの腰を掴み引き寄せると、男達を一瞥する


「っ………何だよ…おい、行こうぜ」


男達はバツの悪そうな顔を浮かべながらソソクサと立ち去っていった


「景吾…」


「…行くぞ」


俺はの手を握ると歩き出した


「景吾…あの…ありがと」


「…前にも言っただろうが」


「え?」


「勝手にナンパされてんじゃねぇよ」


「…うん」


チラリとに目をやると、何やら嬉しそうに笑っている


「…何ニヤケてんだ」


「いつもの景吾だ♪」


「……変なコト言ってんじゃねえよ」


そう言いながらも俺は笑っていて、いつの間にか消えた苛つきは、とんでもなくくだらないものだったに違いない


「ガキかよ…」


俺もお前も


「もぅまた言って…ガキっていう方がガキなんだから」


「ああ…そうかもな」


そう言うと、はまた嬉しそうに笑った
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