第19章 記憶
脱衣室のドアを開けると
私をおろして服を脱がし始めた。
「じ、じぶんで、できるよ…」
「ダメ、オレにやらせて」
キスを合間にされて、
剥がすように脱がされる。あっという間に裸体になった。
恥ずかしくて胸を隠して、
背中が丸くなる。
「み、見ないで、もぅ…」
「なに言ってんのよ。見るに決まってんでしょ?見たいんだから」
「……意味わかんない…」
カカシは目を緩ませて、自分の服を脱いでゆく。服を脱ぐ姿に私は目を奪われていた。
腕や任服を着てる姿を
いつも見てるはずなのに…。
男らしい腕や背中の引き締まった筋肉。硬い胸板。割れた腹筋。長い手足。見上げる背丈。
何度も
あの身体に抱かれた。
「……」
口もとに手を置いた。
照れが出てしまう。
私の顔が隠せずに
熱くなった。
「ホラ、なにぼぅっとしてるのよ、お前の身体、冷えてるじゃない。風呂入ろ」
洗濯機に脱いだ服をぜんぶ入れると、洗剤と柔軟剤を入れて、予約ボタンを押した。
そのまま、
私の腕を掴んで浴室へはいった。
カカシは、私の膝や手のひらや腕を触る。
「お湯かけるけど、大丈夫か?滲みるか?」
「うん。たぶん大丈夫…かな」
カカシは蛇口をひねってシャワーを出した。温かいお湯をかけられた瞬間、私の顔がゆがむ。
「いっ…、だ、っ!」
じんじん…しみる。顔がたまらずに引きつる。出血は止まっているから、我慢できないほどの痛みじゃない。でも痛い。
それよりも恥ずかしい方がまさった。カカシが私の前で屈んでるから近いからだ。
「はぁ…お前、ホントどこで転んだわけ?」
カカシは立ち上がると、
私の頭をさわった。
げんなりしたような表情で。
「…わ、わかんない。たぶん階段かな…」
「頭打ってないな?」
「う、うん。痛くないし…」
「ま、タンコブは出来てないから、大丈夫か…」
頭を触って髪をすいたカカシ。顔が赤い。カカシの裸体が目の前にあって、目の置き場が困った。