第19章 記憶
「花奏が好きだよ。お前もオレが…好きか?」
カカシが切な気に呟く。
自分の心臓が強く鳴る。顔も身体も熱い。
興奮を隠せない目が合致する。口布を外した口もとは微かに震えていた。私は目を微笑ませて優しく伝えた。
「うん……。私、好きだよ。カカシじゃなきゃ、自分からしないよ。てか、できないや」
苦笑いを浮かべた。
ガタンと、大きく当たる音が響く。私の背中が扉にぶつかったのだ。大きな手のひらが頬にふれる。求める瞳が近づく。
「…花奏……」
そのまま震える唇と合わせた。甘い音がくちゅっと玄関で奏でる。
離れては重ねるを繰り返した。
私の腰に添えられた大きな手が強まる。
私も手をカカシの腰にふれた。
優しい気持ちが広がっていく。
角度を変えて深くキスを求める私は、口をあけて、カカシの舌を官能的に絡めた。濡れた唾液が交わる。
「ん、…ん、」
大きな手が自分のふくらみへ触れた。熱い手が私の胸を鷲掴む。キスはしたままで離れない。背中には堅い玄関扉。
ゆっくりと任服のなかに手が入る。ブラのホックを器用に外してしまうカカシ。肌に触れる手が熱い。
「ん……ぁっ」
胸をじかに触られていやらしい声が出た。愛撫から漏れる自分の声が恥ずかしい。でもやめて欲しくない。
ひんやりした空気が玄関扉の隙間から入った。
「花奏……風呂行こ」
耳にキスをするように甘く囁く。カカシの息は、熱を持ったまま吐き出された。優しく細めた目が笑ってる。
「ほら、抱えるぞ」
「うん…って、あ、ちょっと…!」
脇の下を抱えられて、軽々と持ち上げられ、身体が浮いていた。
私はつい綻んでしまう。
カカシは靴を脱がせて脱衣室へ軽々と運んだ。
「カカシ…好き」
ぎゅっと落ちないように
カカシの背中に手を回した。