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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第19章 記憶


「これ以上ダメだって…」


「やだ、カカシ……」

名残惜しく見上げても、カカシはゆるく唇を離した。大胆な私の頬は赤い。外だってわかっている。



カカシにふれたい。

触れられたら
もっと欲しくなる。

長い指を握って、そばに寄った。
コツンと自分の頭を
カカシの胸もとにあてた。

「変だね私。でも、すごくひっつきたいの」

心臓の音が早く鳴る。
あたたかい体温。目を閉じた。

「…カカシ…ぎゅってして?」

私が言うと、大きな手のひらが背中にかかった。あたたかい手が落ち着く。気持ちいい。


すると、
カカシのため息の混じる声が
頭の上で低く掠れて響いた。


「あー……もう我慢できないわ、オレ。掴まりなよ」

「えっ…わっ!」



慌てる私の腰を抱えて
カカシは印を素早く結んだ。

「っとと…」

すとんと、身体を下ろされた場所は
カカシのアパートで。

「カカシ?」
聞いても返事しない。

ガチャ…と忙しなく玄関鍵を開いた。

暗い玄関の中に入り、明かりをつけて
私が鍵を閉めたときだった。

肩を強めに掴まれて、そのまま玄関扉に押しつけられた。私が顔を見上げると、カカシの瞳が合致した。


「花奏……」

玄関で始めてしまいそうなほどに、カカシの目が熱に染まる。見下ろしたカカシは薄く瞳を細めた。

「お前が散々煽ったんだから、覚悟してよね……」

私の背中に大きな手がまわる。
靴を履いたままだ。

すっぽり腕のなかに入れられて、
固く抱きしめられていた。

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