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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第13章 つかの間の平和と新たな脅威


城戸さんの一言で会議が再開された。
忍田さんが遊真君と修君を呼んだ理由を話す。

「我々の調査で、近々近界民の大きな攻撃があるという予想が出た。先日は爆撃型近界民1体の攻撃で、多数の犠牲者が出ている。我々としては万全の備えで、被害を最小限に食い止めたい。平たく言えば、君に近界民としての意見を聞きたいと言う事だ」

鬼怒田さんが少しキレ気味に、今足りていない情報を遊真君に伝える。

「なるほど。そういうことなら、俺の相棒に聞いた方が早いな。よろしく」
『心得た』

遊真君の指輪からニューとレプリカが出てくる。その様子に僕ら以外の人達が目を見張る。

『はじめまして、私の名はレプリカ。ユーマのお目付け役だ』
「なんだこいつは...!?」
『私はユーマの父、ユーゴに造られた多目的型トリオン兵だ』

トリオン兵という言葉に秀ちゃんが反応する。よほど憎んでいるようだ。

『私の中にはユーゴとユーマが旅した近界の国々の記録がある。おそらく、そちらの望む情報も提供できるだろう』

鬼怒田さんがおぉと感嘆をもらす。
しかし、レプリカは情報を渡す前に、遊真君の身の安全を約束させた。口約束でしか無いが、遊真君には嘘を見抜くSEがある。嘘を吐けば一瞬でわかる。

「...よかろう。ボーダーの隊務規定に従う限りは、隊員空閑遊真の安全と権利を保証しよう」
『...確かに承った。それでは、近界について教えよう』

それからレプリカによる近界の説明が始まった。
ある程度説明した後、質問の1つである「攻めて来るのはどこの国か」に「今現在こちらの世界に接近している国のうちのいずれか」と答える。

「そこまではわかっとる!知りたいのは「それがどの国か」!その「戦力」!その「戦術」だ!」
『どの国がそうなのかを説明するには、ここにある配置図だけでは不十分だ。私の持つデータを追加しよう』

レプリカが林藤さんに許可を頼み、栞に指示を出す。
栞がタブレット端末を弄ると配置図に浮かんでいた星の数が一気に増えた。

『これが、ユーゴが自らの目と耳と足調べあげた惑星国家の軌道配置図だ』
「これは...!」
「流石は有吾さんだな」
「これが...近界の世界地図...!」

あまりの大きさに鬼怒田さんが本日二度目の感嘆をもらす。
やっぱり有吾さんは凄い!思わず自分の事のように嬉しくなり、喜んでしまった。
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