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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第12章 本部入隊


オリエンテーションが始まり、攻撃手・銃手・射手と狙撃手に分かれる。
僕は千佳ちゃんの方について行く。修君は遊真君が心配みたいで、千佳ちゃんは僕に任された。
狙撃手専用訓練場に着くと、そこは奥行きが広く、横にもそれなりの広さがあった。
賢の説明によると、10フロアぶち抜きで奥行き360mあるらしい。基地の中で1番大きい部屋なんだとか。

「君達にはここでまず訓練の流れと、狙撃用トリガーの種類を知ってもらう」

賢が新入隊員の数を7人と数えると、千佳ちゃんが大柄な男の子の影からひょっこりと顔を出して8人に訂正される。

「よし、じゃあ正隊員の指示に従って各自訓練を始めよう!」

新入隊員がそれぞれの練習位置に着く。すると千佳ちゃんがロン毛の男性に質問する。

「あの...」
「ん?どうした?」
「撃ったあと...走らなくていいんですか?」
「!えーと、今は訓練だから走らなくていいんだよ」
「そうなんですか。すみません...」

他の新入隊員の子がクスクスと笑っている。
しかし、千佳ちゃんが聞いたことは正しい。狙撃手は居場所が知られると戦場においてかなり不利になる。数発撃って狙撃場所を変えるのが基本だ。だから走る。
流石レイジさん。そこまでちゃんと教えてるんだ。それだけ千佳ちゃんに狙撃手としての素質があるって事だね。

続いてトリガーの説明に入る。
今使っている銃が射程重視の万能型の「イーグレット」。
軽量型の「ライトニング」は弾速が速くて当てやすい。
重量型の「アイビス」は対大型近界民用に威力を高めに作られたもので、弾速は遅い。

「まぁ、百聞は一見にしかず。女の子2人に撃ってもらおっか!あの大型近界民の的を狙おう!」

と言って千佳ちゃんにアイビス、猫目の女の子にライトニングを渡す。
ちょっと待って?千佳ちゃんにアイビス?
待って待って!それアカンやつ!

「3...2...1...発射!」

ズドンッ

と大きな音が場内に響く。
咄嗟にシールドを張り、訓練場の壁を千佳ちゃんの砲撃から守る。
しかし、流石千佳ちゃん。僕より少ないとはいえ、その膨大なトリオン量で僕のシールドの約3割が割れ、壁の向こう側の景色が見えている。

千佳ちゃんは恐る恐る賢の方へ振り向き、自身も驚きながらもしっかり謝っている。
その顔はトリオン体なのに真っ青だった。
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