モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第2章 仕事
退院した翌日の朝ー
朝食を摂りながらおもむろにテレビを点ける。
画面に映ったのは朝の情報番組。司会者のおじさんや出演者の人は朝から大変だなぁ。
...僕の言えたことじゃないけど。
『では、続いてのニュースです。昨夜未明...』
朝食のトーストを囓っていると、マネージャーから電話が入った。こんな朝早くから何だろうと思いながら通話ボタンを押す。
「もしもし、おはようございます」
『あ、明希ちゃんおはよう!仕事の事で急ぎの連絡をしたんだけど、今大丈夫?』
「はい、大丈夫ですよ」
何か変更でもあったのだろうか?
『実はついさっき決まったんだけど...この前三門市で近界民に遭遇して怪我したって言ってたでしょう?』
「えぇ、頭を3針くらいは縫いましたね」
『そしたら事務所がね?
「シュウは今が1番良い時期だが、頭の怪我が悪化したら事務所始まって以来の大損だ。勿体無いが少し休暇を取らせよう」って決めちゃったの』
えぇ、仕事休むの?仕事するの楽しいのに...
ふと点けっぱなしになっていたテレビをと見る。丁度タイミングよく、速報として「シュウ」の活動休止が報道されていた。
「はぁ、なんかかなり大事になってますね...具体的な休暇期間は決まってますか?」
『取り敢えず今日の仕事はやるって言ってたから、明日から1ヶ月くらいかな?』
今日が最後の仕事になるのか。今日の仕事はなんだったか...後で確認しよう。
「わかりました。わざわざありがとうございます」
『はーい!それじゃ、後で迎えに行くから準備して待っててね!』ピッ
電話を切ってすぐに予定表を開く。
えっと今日は...あー、コレか。あまり気が乗らないけど、最後の仕事だし頑張ろう。
~2時間後~
マネージャーの車で現場に到着した。
今日は嵐山隊の番組にゲストとして出演する。内容はボーダーについて知ろう的なアレだ。今回はボーダー内部の見学ロケをするとかなんとか。
嵐山隊とは他の番組でよく一緒になったからそれなりに仲は良いが、この番組は私情が私情の為にあまり出たくなかった。
嵐山隊やスタッフの方に挨拶してから待機場所でメイク等を済ませる。
黒髪に青いメッシュのウィッグ、男装用メイク、晒しを巻いてボーイッシュになった全身をチェックして今日も完璧だ。
ロケ本番
嵐山隊の挨拶諸々が済み、《俺》の名前が呼ばれる。
