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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第10章 可愛い後輩と秘密


迅視点

また廊下から足音がする。
今度は先程とは違い、落ち着いた足音が2人分聞こえてきた。開けっぱなしのままになっていた入り口から入って来たのは、京介とレイジさん。

「騒がしくなったと思ったらすぐに静かになりましたね」
「何かあったのか?」

明希が2人にも分けておいたパウンドケーキを「お帰り」と言いながら渡す。京介は顔を輝かせて食べ、レイジさんは「甘過ぎずいい具合だな」と食べた感想を言った。
レイジさんの誉め言葉を聞いた明希から幸せオーラが溢れている。

「えへへ…レイジさんありがとうございます」

明希の嬉しそうな笑みを見た俺達は、男女問わずハートを射抜かれた。何あの破壊力、凄まじい。俺の幼馴染天使か。
特に、その笑みを自分へと向けられたレイジさんは、かなりの重症だ。片手で目元を隠し上を向いて悶絶している。
何あのレイジさん、初めて見た。もちろんしっかり写真に納めた。

「あ、あの、レイジさん?どうかされました?もしかして、美味しくなかったですか?」
「いや、そんなことはない。凄く旨いぞ。今のは気にしなくていい」

レイジさんの全力の自己フォローに、明希は安心した様子。
その顔も可愛い。この場にいる全員の思いが1つになった。

「ところで、そこの3人が迅さんの言ってた新人っすか?」

京介の言葉に小南が反応する。

「新人...!?あたしそんな話聞いてないわよ!?何でウチに新人なんか来るわけ!?迅!」
「まだ言ってなかったけど、実は...この3人、俺の弟と妹なんだ」

明希の方を見ると呆れていた。
大丈夫だよ。レイジさんがちゃんと言ってくれる。

「えっそうなの?迅に兄弟なんかいたんだ...!とりまる、あんた知ってた!?」
「勿論ですよ。小南先輩知らなかったんですか?」
「言われみれば迅に似てるような...レイジさんも知ってたの!?」
「よく知ってるよ。迅が一人っ子だってこと」

小南は訳がわからないという風に、頭に「?」を浮かべている。

「このすぐダマされちゃう子が、小南桐絵17歳」
「騙したの!?」
「いやーまさか信じるとは。流石小南」

小南のダマされ易さは俺の期待を裏切らない。

「こっちのもさもさした男前が、烏丸京介16歳」
「もさもさした男前です。よろしく」
「こっちの落ち着いた筋肉が、レイジ21歳」
「落ち着いた筋肉...?それ人間か?」
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