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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第10章 可愛い後輩と秘密


翌朝、冷ましておいたパウンドケーキを切って、紅茶と一緒にみんなに出す。

「おぉ~!明希ちゃんありがとう!すごく美味しそう!」
「明希は何でも作るなぁ」
「桐絵のお気に入りだから美味しい自信あるんだ!たくさんあるから好きなだけ食べていいよ」
「アリガタキシアワセ」
「ありがとうございます」
「いえいえ」

みんなが一口食べる毎に、美味しいと言ってくれる。作った甲斐があったな。

「さてさて!美味しいパウンドケーキを食べながらこれからの話をしよう!」
「せめて飲み込んでからにしようね」
「おっと失礼」

栞がケーキを飲み込んで、続きを話始める。

「さて気を取り直して!諸君はこれからA級を目指す!そのためには、もうB級になってる修君を除く、千佳ちゃんと遊真君の2人にB級に上がってもらわなければならない!」

栞がボーダーの仕組みについて語る。その都度出てくる質問にもしっかり答えて、遊真君達の疑問を解消している。栞凄い。

いよいよ千佳ちゃんのポジションの話になる。遊真君が「千佳のトリオン凄いよ。見たらビビるかも」と言うくらいだ。僕程じゃ無い事を願いながらも、どのくらいか想像する。

その間もポジションの話は続き、栞が分析結果を発表しようとすると、悠一に横取りされる。

「あー!!迅さん!!アタシが言いたかったのに!何で言っちゃうのもー!」
「お前がもったいぶるから」

すると廊下から大きな足音を立ててこちらに来る音がする。察しを付けた僕は、カウンターに置いていたパウンドケーキの小皿を取り、足音の人物を待つ。
扉が勢いよく開き、そこには綺麗な明るい茶髪を靡かせた女の子、桐絵が怒った顔をして立っていた。

「あたしのどら焼がない!誰が食べたの!?」

そう言った桐絵は雷神丸の上で寝ている陽太郎君の足を掴み、上下に振る。

「さてはまたお前か!」
「むにゃむにゃ...たしかなまんぞく...」
「お前だなー!」

そう叫んだ桐絵の口にパウンドケーキを入れる。桐絵は口を閉じてモグモグと食べ始める。

「美味しい~♪」
「おぉ、静かになった」

静かになった桐絵に皿ごと渡し、紅茶も淹れてあげる。

「明希のケーキ、相変わらず美味しいわ!紅茶も!」
「ありがとう。桐絵の笑顔が見れて僕も嬉いよ」

そう言うと、「明希ちゃんは天然タラシだね~」と言われてしまった。
解せぬ。
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