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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第10章 可愛い後輩と秘密


「暫く我を忘れて泣いてた。一緒にいた女の子を抱き締めて、目の前の黒トリガーを見ながらずっと泣いてた。周りの戦闘音が聞こえなくなった頃にやっと落ち着いて、黒トリガーを手にした。これは、進さんが僕を守るために作ってくれた物だって思って、今までずっと持ち歩いてた。この前会議室で進さんについて聞かれたけど答えなかったでしょ?あれはSEが話しちゃダメって教えてくれたから、咄嗟に嘘ついたの。ごめんね」

悠一は何も言わず僕の隣に来て、優しく抱き締める。

「助けてあげられなくてごめん。不甲斐ない幼馴染でごめん」
「何で悠一が謝るの?悠一は何も悪いことしてないよ?」
「進さんが自分からその地域の防衛をしたいって言ったとき、その場に俺もいたんだ。なのに読み間違えて、進さんは死んじゃった。俺のせいだ」

悠一は特別な力を持つがゆえに、自身の失敗で人が傷付くのを悔やむ。悠一のSEだって万能じゃないし、読み間違える事も読み逃すこともある。あまり自分を責めないでほしい。

「悠一は悪くないよ。悠一が読み間違えたせいで怒った人がいる?いないでしょ?みんな悠一のSEが万能じゃないことを知ってるから怒らないんだよ。進さんだって怒ってないと思う」

極力優しく、落ち着かせるように話す。
すると悠一は、ありがとうと言って腕をほどく。

「さ、気を取り直してもう一度プランBの話し合いをしよう!取り敢えず、風刃を使うのは僕も賛成だけど、交渉材料に使うのは反対かな。悠一と最上さんには一緒にいてほしい」

悠一は僕の思いの強さを悟ったのか、わかったと答える。

「それと、戦うときは『俺』で行くから。その方が黒トリガー...雷刃との相性がいいんだ」

悠一は僕がしようとしてる事がわかったらしく、それは明希が困るんじゃないの?と聞いてくる。しかし僕は笑みを浮かべて、このくらい大丈夫。と返す。
悠一は仕方ないなと諦めて、プランが全て決まった。

「ところで明希」
「ん?何?」

悠一が顔を近付ける。ちょっと待って近い近い。

「明希の目って紅色じゃなかったよな?カラコン入れてんの?」
「へ?ま、まぁそうだけど」
「何で?」
「あまり自分の目の色好きじゃなくて...」

俯いてそう言うと、悠一が何で嫌いなの?と問う

「せっかく綺麗な紫色なのに、隠すの勿体無いと思う」

僕は悠一のそういう所ホントにズルいと思う。
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