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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第10章 可愛い後輩と秘密


「風間進さんって、え、ホントに?」
「こんな事で嘘つかないよ。これは正真正銘風間進さん。僕の目の前で亡くなった大切な人だよ」
「!」

悠一に進さんが黒トリガーになった経緯を話す。

「第一次大規模侵攻の時、僕は児童施設にいたんだ。その日は休日だったけど、特に外に出る用事も無かったから学校の宿題してたの。
そしたら突然SEが反応して、たくさんの恐怖や絶望の感情が伝わって来た。窓を開けて外を見れば、遠目にトリオン兵がうじゃうじゃいて、建っていた家も電柱も踏み潰されてて、逃げなきゃって思うのに身体が動かなかったの。
そしたらタイミングよく相部屋の小さい女の子が戻って来てね、「どうしたの?」って声をかけられてやっと動けたの。
廊下からは施設の大人や外を見た子達が騒いで、避難しているところだった。僕達も逃げようってその子を抱っこして逃げたの。
もう少しで玄関ってところで施設が砲撃にあって、建物が崩れた。もうダメかと思ったけど、瓦礫と瓦礫の隙間になった所にいて、何とか命拾いしたんだ。
瓦礫の隙間から光が見えてて、そこから進さんの声が聞こえたの。抱っこしてた女の子が泣き出して、進さんがそれに気付いてそこから出してくれた。(思わず進さんに抱き付いちゃったのは仕方ないと思う)
でね、進さんの背後にモールモッドがいて進さんも気付いて戦ってたんだけど、僕らを庇いながらは無理があったみたいで、モールモッドのブレードが進さんに刺さって、生身になったの。
流石に生身じゃ戦えないからって、進さんの手を掴んで逃げようとしたらもう遅くて、進さんのお腹にブレードが刺さってた。
一瞬何が起こったのか全くわからなくて、進さんに声掛けたんだけど返事がなくて、そのまま倒れちゃったの。
当時中学に上がり立ての僕には進さんは重くて運べないし、その間にもモールモッドは近づいてくる。どうしようもなくて、逃げようにも逃げられなくて、このままだと死んじゃうって思ったときに進さんの身体が光り始めたの。
普通、人体が光る何て事無いからビックリしちゃって、モールモッドの存在も忘れて光を見てた。だんだん光が弱くなって、光が消えた時には何故かモールモッドは消えてて、その代わりにこれが落ちてたの。
黒トリガーだってすぐに気付いた。有吾さんに教えてもらったから。それと同時に涙が出た。進さんは僕にとって大事な人だったから」
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