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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第7章 模擬戦と面白い子


米屋視点

声の主は、明希の言う通り迅さんだった。今日は片手にぼんち揚を持っている。

「悠一、どうしたの?」
「帰りが遅いから迎えに来た。ご飯出来てるよ」

時刻を見れば8時をとうに過ぎていた。
確かに晩御飯の時間は過ぎている。

「もうこんな時間だったんだ。今日のご飯何?」
「肉3倍の肉野菜炒めとスープだったかな」
「わぁ、今日も美味しそうだねぇ♪」

木崎さんの得意料理だと!?超旨いんだろうな。

「みんな食べちゃったけど、俺まだなんだよね」
「食べて来なかったの?」
「明希と一緒に食べようと思って。1人で食べるより美味しいんだろ?」

お?迅さんそう言う感じ?これは、ただの幼馴染ってだけじゃないかも?

「勿論!あ、ぼんち揚のカス付いてる」
「え、本当?どこ?」
「もう...はい、取れたよ」
「ありがとう」

明希が自分のハンカチと取り出して、迅さんの口元を拭う。
迅さんのこれって確信犯じゃね?って言うか、目の前でイチャつくな。迅さんわざとだろ。
これ、秀次が見たらスッゲェ事になりそうだな。
そんな不吉な事を考えたのが悪かったんだろうか?
背後からただならぬ殺気を感じる。

「秀ちゃん、何してるの」

明希が振り返る事なく殺気の人物を言い当てた。明希すげぇ。

「明希と迅はどういう関係なんだ?」

秀次が頑固親父みたいな事聞き始めたんだけど!?

「幼馴染」

明希も淡々と答えてる!?ヤダ!ナニコレ!ツイテイケナイ!

「幼馴染だと?迅、お前が本当に明希の幼馴染であっても、容赦しないぞ」
「面白い。受けて立つよ秀次。明希は渡さない」

迅さんと秀次の間に激しく火花が散っている。
当の明希は、何が起こってるのかわかっていない様子だ。
ってか、明希の事が大事なのはお前らだけじゃねぇっての。他にも大事に思ってるやついんだから、お互いしか見てなかったら足元掬われるぞ。

「陽介君?」
「ん?どうした?」

声を描けてきた明希が俺の顔を覗き込む。

「何か考え事してたみたいだから、何考えてるんだろうな?って思って」
「内緒だ。今はまだな」

人差し指を自身の口の前に持って行く。
明希は「そっか。いつか教えてね?」と微笑んだ。天使。

秀次と迅さんの揉め合いを止めて一時休戦にし、今日は解散した。
明日も大変そうだ。
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