モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第21章 僕の周りの人達

僕が医務室で過ごしていた数日間、風間隊や瑠衣達以外にも多くの人が見舞いに来てくれた。
天羽君、半崎君、日佐人君。
隊だと嵐山隊、三輪隊、東隊、影浦隊、来馬隊...。
交流のある16歳組のメンバーが主で、東さんや来馬さんは付き添いだったり監視役として来ていた。(太一君)
誰かが来る度に色々な人に心配かけたんだなと思うけど、それと同時に自分の周りには多くの優しい人達が居ることを再認識出来た良い機会になったと思う。
今はもう医務室から玉狛に移り、リハビリ生活を送っている。支部に帰った時の温もりと言ったらない。
迎えてくれた時のみんなの笑顔。みんなで作ったという美味しいご飯。温かいお風呂。
何気ない生活の一部だけど、その一つ一つに幸せを感じた。
帰って来て翌日から始まったリハビリ生活は、思っていたよりも楽だった。元々筋力と体力はそれなりにあったお陰で、女子の平均体力の少し下程度で済んだ。
しかし生活を送る上では何の支障も無いが、今までと同じ事をしようとしても出来ないことがある。
買い物では荷物持ち要員の男子を付ける事を義務付けられたり、後輩のトレーニングに付き合ってランニングをすれば早い段階で息が上がり始める始末。
「老化ってこういう事なのかな...?」
「そんな訳あるか!」
「痛い!」
ベシッといい音が頭上で鳴った。桐絵に平手打ちされたのだ。
「何も叩かなくてもいいj...ナンデモナイデス」
「それより、今日のご飯はもう少し量増やしてみる?」
「そうだね。頑張ってみるよ」
そうそう、ご飯の量も少なくなったんだ。超少食になっちゃって、最初は「今までの量=三食分」だった。これはヤバイと思って、少しずつ食べる量を戻している。これもリハビリの一つでもある。
「今日のご飯なに?」
「私が作る物って言ったら一つしかないでしょ?...と言いたい所だけど」
「え、何?含みのある言い方しないでよ。気になるじゃん」
「実はね、頑張って練習してチキンカレー以外にも作れるようになったの!その名もチキン南蛮!」
「凄いよ桐絵!もしかして、今日はチキン南蛮を作ってくれるの?」
「そうよ!楽しみにしててよね!」
「もちろんだよ!」
その後出来上がったチキン南蛮は、芳ばしい匂いと綺麗な焼き色で全員の食欲を誘う。タレのタルタルソースとも良く合っていった。
その日のリハビリ(食)はよく進んだ。
