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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第3章 勧誘


リビングに入ると、筋肉ムキムキの男性とモサッとした同い年くらいの男の子と、さっきの眼鏡の女の子がソファーで待っていた。桐絵はキッチンで人数分のお茶を淹れている。

「お、全員揃ってるな」
「迅、こいつが例の新人か?」
「そうだよ!超美人だろ!」
「ちょ、悠一!?何言ってんの!?」
「確かに超美人っすね」
「お?照れてる?照れてる?」
「バカ!」

悠一の後ろに隠れて顔を隠す。恐らく耳まで真っ赤になっているだろう。

「ちょっと、何明希いじめてんのよ」
「桐絵~」

桐絵がお茶をテーブルに置きながら止めてくれる。
思わず桐絵に抱き付く僕をよしよしと撫でてくれる。

「いじめてないっすよ。迅さんの言う通り美人だったんで「美人っすね」って言っただけです」
「それがダメなのよ。明希は誉められるのに慣れてないから言うなら本人のいない所で!」
「そうだったんすか。次から気を付けます」
「んで迅!あんたわかっててやったでしょ!明希に嫌われても知らないわよ?」

そうだそうだ!もっと言ってやれ!

「いや~反応が可愛いって俺のSEが言ってたから、見たくなって?」
「明希が可愛いのは当たり前!あたしは照れ顔よりも、好きなもの食べてる明希の方が好きよ!」
「桐絵!?」

あれ!?味方がいなくなった!?

「あ~わかる。あの幸せそうな顔良いよな。見てるこっちも幸せになるっていうか」
「もっと幸せにしてあげたくなっちゃうのよね!」
「それだ!」
「も、もうやめて…」

怒号の誉め攻撃に耐えられなくなり、両手で顔を覆いながらその場にしゃがみこむ。もう消えてしまいたい。
そこへ鶴の一声のごとく、ムキムキの男性が助けてくれた。

「お前達、それぐらいにしろ。こいつが限界を迎えてる」
「あ!ごめん明希!つい…」
「明希、大丈夫か?」
「桐絵は許すけど悠一は許さない…」
「えー!そんなぁ…」

僕は頬を膨らませて、悠一との間に桐絵を挟む。

「あーぁ、明希が拗ねちゃった。あんたもバカね」
「うーん、SEが仕事しない」
「あのー、それよりその人の紹介してくれないんすか?」
「「「あ、忘れてた」」」

僕・悠一・桐絵の声が1つになった瞬間だった。
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