モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第3章 勧誘
「あのー、それよりその人の紹介してくれないんすか?」
モサッとした男の子に言われた一言で、本来の目的を思い出した。
「あはは、すっかり忘れてた。ありがとな、京介」
「いえ、そろそろ気になってきてたんで」
「そうか、じゃあ明希から自己紹介な」
「僕から?えっと、今日から玉狛支部所属になりました藤咲明希です。歳は17です。よろしくお願いします!」
いたって平凡な自己紹介だと我ながら思う。
「次、京介!」
「玉狛第一の烏丸京介16歳です。先輩方からは主に『とりまる』って呼ばれてます。あ、レイジさんと迅さんだけ名前っすね。好きな方で呼んでください」
「じゃあ、京介って呼ぶよ」
「俺は明希先輩って呼んでいいっすか?」
「勿論!呼びやすい呼び方でいいよ!」
京介は無表情で取っ付きにくそうな感じがしたけど、全然そんなことないや。寧ろ人懐っこい子だ。
「はーい次!宇佐美!」
「はいはーい!玉狛第一オペレーターの宇佐美栞だよ!エンジニアの方もやってるんだ!明希ちゃんとは同い年だよ!よろしくね!あ、名前で呼んでね!」
「うん!よろしくね栞!」
「うんうん、良いね!明希ちゃんは眼鏡に興味ない?眼鏡人口増やそうぜ!」
「栞、明希が引いてる」
「おっと失礼」
栞は元気いっぱいで明るい女の子だ。わからないこととか専門的なことをしっかり教えてくれそう。
「最後は俺だな。玉狛第一隊長の木崎レイジだ。歳は21。ここでは主な家事は俺がやっている。後で好きなメニューとデザートを教えてくれ。晩御飯はそれにする」
「好きなメニューですか...カレーですかね。あと魚も好きです。デザートはドーナツが好きです。特に抹茶味が1番好きです!」
「わかった。今日は歓迎会だ。存分に楽しんでくれ」
「はい!ありがとうございます!」
わーい♪今日は僕の好物ばっかりだ~♪楽しみだなぁ♪
「よかったな明希。レイジさんの作る飯はそこらのレストランよりも旨いぞ」
「そうなの?ますます楽しみになってきた♪」
「晩御飯まで時間があるし、明希の部屋行こうか。ボスが昔の部屋を残してくれてるらしいよ」
「後で林藤さんにお礼言わないとだね」
悠一と駄弁りながら部屋へ行く。数年ぶりだったが体が場所を覚えていた。
中に入ると、思ったより埃が無かった。桐絵と林藤さんが掃除してくれているようだ。2人には頭が上がらないな。
