モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第20章 名前云々とお姫様(仮)
明希視点
みんなと程々に会話をして、晩御飯の時間になったためみんなが帰るのを見送る。悠一は残るようだ。
[悠一も晩御飯食べてきたら?僕は診察あるだろうからしばらく無理だし]
「一人で食べるのって味気ないから好きじゃないんだよね。だから、明希の診察が終わるの待つよ」
[そう。じゃあ、早く終わらせて貰うように頼むね]
診察は僕が言わなくても良いくらい早く終わった。病院に受診に言った時と同じ事と、血液検査だけだった。
晩御飯は僕は今夜まで点滴。二人は購買で買ったおにぎりとサンドイッチだ。美味しそう...
就寝時間になって、蓮琉から再び規則的な呼吸音が聞こえてきた。寝るの早いなぁ。
「明希」
[ん?どうしたの?]
「明希は、誰か好きな人いんの?」
[...どうしたの急に]
「...何でもない。忘れて」
気まずそうな顔で「忘れて」と言われてもそんな簡単に忘れられるわけない。まぁ、聞きたいことはわかった。その質問の意図も。
[...さっきの事なら気にしなくていいよ。僕が起きるために必要な事だったんでしょ?...それに、悠一なら嫌じゃないし]
「...え、何で目覚める前の事知ってんの」
[だって、シュウが態々出て来いって言うから何かと思えば、幽体離脱までしてさっきの悠一の言葉聞かせたんだもん。聞かれたく無かったのに聞いちゃってごめん]
経緯を話してる僕まで恥ずかしくなって来た。だって、悠一が僕の事そんな風に思ってるなんて知らなかったし...
「いや、いいよ。というか、そういう事ならちゃんと返事が聞きたいな。あ、そういえばさっきの「俺なら嫌じゃないし」って言葉、アレは返事として受け取っていいのかな?」
[えっと...悠一...?なんか怖いよ...?]
距離を詰められて、所謂床ドンと言うやつをされた。え、どういうことなの。
「答えてくれるまで寝かせない」
[病人を労わって欲しいなぁとか思ったり...]
「それは質問に対する答えじゃないね」
おでこが当たる所まで顔が近付き、ニコッと笑顔で否定された。やだこの笑顔怖い。
観念して真面目に自分の思いを伝える。
[...悠一の考えてる通りだよ]
「という事は?」
[言わせたがりだなぁ...好きだよ、悠一]
「俺も好きだよ。ありがとう」
「ん...」
眠っていた時とは少し違う、優しいキスが落とされた。
