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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第20章 名前云々とお姫様(仮)


蓮琉(ヒュース)視点

その日の夜、再び城戸さんがこの場を訪れた。

「今日も来たんだな」
「あぁ。昨日はよく眠れたか?」
「問題なく眠れた」
「そうか」

簡潔な会話を交わす中、兄さんは読み逃したと言わんばかりに目を見開いて驚いている。

「どうした迅」
「え、いや、蓮琉と城戸さんが仲良さげに見えたから驚いて...」
「その顔かなり間抜けだぞ。いつもの飄々とした態度はどうした」
「関係なくない!?というか、何で2人は仲良くなってんの?」

昨日の今日にあったことをそのまま話せば「城戸さん、何で人の名前についてよく知ってるの」と言った。

「一度漢字と人名について調べるのにハマった時期があってな。その時に明希のも調べた事があったんだ」
「へぇ、じゃあ俺のは?」

城戸さんが兄さんの名前について話し始める。実の親ではないにしろ、漢字の意味が自分と合っていれば誰だって驚く。兄さんの今の顔がそうだ。普段の眠そうな目がやや開かれ、眉も上がっている。

「うわぁ、何か、城戸さん凄い」
「そうでもない。お前の親に付けてもらった大事な名だ。誇りを持つんだぞ」
「いつも持ってるよ。...ありがと、城戸さん」

心無しか、兄さん雰囲気が柔らかくふわふわしたように見えた。そういえば、兄さんの家族はどうなのか聞いてない。
知りたいが、聞いてはいけないような気もする。何故だ...?

「蓮琉?どうしたんだ?」
「眠いのか?」
「あ、いや、なんでもない。気にしないでくれ」
「眠くなったら遠慮せずに寝るんだよ」
「あぁ」

姉さんが目覚めたら姉さんから聞こう。本人から聞いた方がいいならちゃんとそう言ってくれるし、一緒に教えてくれるだろう。もし今の選択が間違っていれば兄さんが訂正するか、誘導してくれるはずだ。

暫く城戸さんは兄さんと話し込んでから帰っていった。口にはしないが、城戸さんなりに姉さんの事を心配してくれているのだろう。つくづくいい人だと思う。兄さんも城戸さんを信頼しているし。

姉さんが目覚めるまであと2日。時計が日をまたぐのを微睡みの中で見て、眠りに着いた。
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