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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第20章 名前云々とお姫様(仮)


蓮琉(ヒュース)視点

「私はそろそろ帰る。君は残るのかね?」
「一応そのつもりだ。少しでも姉さんのそばに居たい」
「玉狛の連中は知っているのか?」
「...」

散歩と称して出て来たため、おそらく帰ったらまず小南に殴られるな。だが、支部には悠一兄さんがいるし多分大丈夫...多分。

「...私から林藤に連絡を入れておく。ちゃんと寝るんだぞ」
「ありがとう、ございます」

玉狛の支部長だと言う林藤さんに連絡を入れてから城戸さんは帰っていった。見た目は怖かったが案外いい人だった。あれか、人は見た目によらないってやつか。何はともあれ、いい人が上司で良かったと心の底から思った。


翌日
腹が減って目が覚めると、姉さんの眠っているベッドを挟んで向かい側に悠一兄さんが居た。急に起きたせいで、肩に掛かっていたであろう兄さんの上着が落ちてしまった。

「おはよう蓮琉。ちゃんと寝れた?」
「...おはよう。あぁ、お陰様でな」

綺麗に払って上着を返す。受け取った手と反対の手で「これ、朝食ね」とコンビニのサンドイッチと温かいココアを渡される。

「わざわざすまない。...小南達は怒っていたか?」
「いや?仕方ないかって割り切ってたよ。折角明希に会えたのに行方くらまして、見つかったと思えば眠ったままだもんな」

兄さんは俺の気持ちをわかってくれていた。でも、俺の気持ちと同じ様に、兄さんも姉さんを心配しているはずなのに、そんな様子を見せない。

「兄さんは辛くないのか?...昔みたいに溜め込んでないか?」
「...姉弟揃って同じ事聞くんだな」
「同じ...?」
「明希と再開した後、ほんの数ヶ月前に同じ事聞かれたよ」

何て答えたのか聞けば、その時はかなりギリギリで、維持出来てるのが奇跡な状態だったそうだ。

「多分、もう少し遅かったらボーダー全体に何かしら影響してたんじゃないかな?」
「姉さん...凄いな...」
「ほんとにねぇ。でも、今は大丈夫だよ。明希だけじゃなくて蓮琉も帰ってきてくれたから、心の支えが増えた」

それが聞けて心底安心した。2人のSEは超人級の代物だから、俺にはその辛さを推し量ることは出来ないけど、負担を減らすことは出来るはずだと昔からそう働き掛けていた。2人の笑顔を見ているのが一番幸せだと思うから。

「早く目覚めてくれないかな...また3人で一緒に居たい」
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