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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第20章 名前云々とお姫様(仮)


蓮琉(ヒュース)視点

「アンタが城戸さんか?」
「そういう君は明希の弟...でいいのか?」
「あぁ、名前は蓮琉。「蓮(はす)」に琉球の「琉」だ」
「そうか。蓮琉か...お前にぴったりの名だな」
「何故わかる」

初対面の俺の何を知っているのか知らないが、知ったような口で俺の名前をぴったりだと言う城戸さんは、穏やかな表情だった。

「「蓮」は仏教の象徴とされている。それは、泥のような汚い場所でも立派に育つ姿を「苦しい事があるおかげで幸せを感じられる」という仏教の教えと重なるからだそうだ。
「琉」は沖縄の昔の「琉球」から青い空や海が連想される。そこから「壮大さ」、瑠璃(琉璃)の色から「爽やかさ」、読みが「龍」にも通じる事から「力強い躍動感」を与える」

そこで一旦言葉を区切った城戸さんは、姉さんに視線を移す。

「小さい頃の明希から、よく君の話は聞いていた。優しくて強くて何でも出来るが、それを鼻にかけないとても良い子だと。自分とは正反対の見た目と性格だが、芯の強さは自分とよく似てると言っていた。...今名前を聞いて、その名に恥じない素晴らしい子だと思った。それだけだ」

自分の名前に本当にそんな意味があったのかはわからない。けど、聞いていて納得出来るものではあった。自惚れている訳では無いが、アフトクラトルでの苦しかった事、瑠璃程ではないが青い色の瞳は名前と同じような気がした。

「そうか...じゃあ、姉さんは?姉さんの名前にはどんな意味があるんだ?」
「明希の「明」は窓から月光が差し込む様子から作られた漢字で、名前に使われる時は「周りを明るく照らし、誰からも好かれる人になって欲しい」と願って付けられることが多いらしい。
「希」は「珍しい事」という意味と「のぞむ」という意味の二つがある。「希望に満ちた人生を送って欲しい」「類稀な才能を発揮出来る子になって欲しい」という意味で名付けられることが多い。
どちらも、今の明希その物を表したような漢字だ」

城戸さんの最後の言葉を聞いてあることに気付く。

「...そうか、姉さんには新しい仲間や友達がいるんだな」

今日だけで色んな人が見舞いに来てくれた。昔の虐められていた時とは比べ物にならない程、大勢の人に好かれている。姉さんこそ名前の通りの人じゃないか。

「やはり、姉さんは凄い人だ...」
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