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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第18章 同輩達と支部


木崎視点

「帰る気はねぇよ。どうしてもって言うなら力づくでな?まぁ、無理だろうけど」

そう言うと同時に、ブワッとこれまでに感じた事のないような威圧感に襲われる。いや、一度だけあるな。小南と藤咲が最初に戦った時の最終ラウンド。あの時もこんな威圧を感じた。

「動けねぇだろ?そこからどうやって俺を玉狛まで連れて行く?レイジさん」
「くっ...!」
「一応言っておくが、今の俺は生身だ。トリガーの使用は禁止されている。トリガーによる攻撃を受ければ気絶するが、同時にレイジさんが処罰を受ける事になるから辞めといた方がいいぜ?」

何もかもお見通しだとでも言いたげなその目は、余裕と警戒心が現れていた。

「おい...シュウ」
「あ?んだよ透」
「これ...制御出来ないのか...?俺達も...動けないんだが...?」
「あ、わり。久しぶり過ぎて制御仕切れてねぇわ」

そう言うと同時に奈良坂達は動けるようになったものの、筋肉が強ばってしまったようで膝から崩れ落ちた。

「うへぇ、疲れたぁ」
「悪かったって。立てるか?」
「踏ん張ればなんとかな」
「俺は結構キツイ」
「出水はもう少し鍛えろ」
「三輪隊余裕すぎだろ」
「公平が非力なだけだろ?ほら、立てよ」

藤咲が出水に手を差し出し、立てるようにする。何とか立った出水は少しふらついていたが、支えがあれば歩けるようだ。

「待て...!」
「待たねぇよ。待ってたら桐絵や京介だけじゃなくて玉狛総勢で来ちまうだろ。今は会いたくねぇんだ。じゃあな」

そう言って五人は本部への直通路に入って言ってしまった。それから二、三分たった後で威圧感から解放されて倒れた。

「宇佐美、京介、小南、聞こえるか?」
[ハイハ〜イ。聞こえてますよ〜]
[どうしたんすか?]
[まだ処理してる途中なんだけど]
「藤咲を見つけた」
[[[え!?]]]
「今本部に入って行った。三輪隊の三人と出水と一緒にいた。少し話したが暫く帰ってくる気はないらしい」
[はぁ!?何で!?]
「わからん。だが絶対帰って来ない訳じゃない。任務が終わったらそれぞれ好きなようにしろ」
[[[了解!]]]

これで任務が終われば京介や小南は本部へ行く。宇佐美も迅や修達に伝えるはずだ。
俺は緊急脱出するしかないが、一番心配してるあいつを止めなければならないだろう。
骨が折れそうな役回りだ。
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